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"安全基礎体力"で子どもを犯罪から守りたい。

あなたに伝えたい (330)

"安全基礎体力"で子どもを犯罪から守りたい。

清永奈穂さん
きよなが・なほ NPO法人体験型安全教育支援機構 代表理事


清永奈穂さん
撮影・武方賢治 文・井上大典
「犯罪被害者にならないために、子どもたちは学校や地域で身を守る方法を教えられています。ところが、実際に犯罪行為にあうと、立ちすくんで何もできない子が多い。頭でわかっていても、体が動かないんです」

清永奈穂さんのNPOが全国各地で開催する安全教室では、ランドセルを背負ったまま走る、大声を上げる、相手を振り切る方法などを、体験させながら指導する。

「危ない場所や人を見分ける力を身につけ、危険と対峙し、回避する力をつける。そして状況を判断したり人に伝えたりする力も含めた“安全基礎体力”をしっかり身につけることが重要だと考えています」

支援機構のノウハウは豊富な科学的・実際的な研究とデータに基づいているのが特徴。犯罪の研究と予防の専門家が元犯罪者に面談するなど、手口や状況の実際的なデータを集めている。

「危なそうだと判断する距離、逃げる準備をする距離、逃げ始める距離、走って逃げる距離なども具体的に指導しています」

女性向けの痴漢対策や、高齢者向けの振り込め詐欺対策なども、ロールプレイングを活用した実際的な方法で指導している。また、地震から身を守るための安全教育も支援機構の柱の一つだ。

「SNSなどを介した犯罪も増えています。親がネットの危険性をしっかり教え、常に見守っていることが大事ですね」