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第23回 ないと落ち着かない


ペリカン戸田の遠い夜明け

ペリカン戸田の遠い夜明け sun
クウネル編集部の戸田史です。「いちおう最年少ですが、三十路半ばです」と自己紹介し続けて幾歳月。三十路半ばずいぶん前に卒業したけれど、最年少編集部員からはなかなか卒業できません。ここでは、編集部で(主に)夜な夜な起こる、ヘンな出来事やちょっといい話などをご紹介していきたいと思います。
 

第23回
ないと落ち着かない

このあいだ知人に「ねぇねぇ、君はいったいどんな髪型をしてるの?」と訊かれました。毎日のように帽子をかぶって出歩いているので、帽子と顔の造作しか印象がないらしいのです(とほほ)。何もかぶらない“素あたま”のままで出かけると、なんだか気分が落ち着かない。なので、冬は毛糸のニット帽をとっかえひっかえかぶり、春先は麻糸のニット帽やハンチングに衣替え。そして夏が近づいてくると、ストロー素材の帽子の出番です。

次号の特集では、夏の帽子好きにインタビューをしてきました。メンズっぽいパナマ帽、淑女のようなつば広帽、じゃぶじゃぶ洗ったストローハット……。それぞれテイストは違えども、どれもまるであたまの一部のようにしっくりとなじんでいました。それは、気に入ったひとつの帽子を大切にかぶり続けてきた証拠。

それに比べるとペリカンの帽子はまだまだ風合いがありません。とくにストロー素材は、ハリがありすぎて貫禄がない。もしかしたら「どんな髪型?」って訊かれるのも、帽子がなじんでいなくて目立ちすぎるせいかもしれないぞ。もっともっとかぶり倒して、夏の相棒を育てていかなくては。ちなみに帽子に隠された“素あたま”の実態は……ただのマッシュルームヘアです。