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第34回 ナゾの声


ペリカン戸田の遠い夜明け

ペリカン戸田の遠い夜明け sun
クウネル編集部の戸田史です。「いちおう最年少ですが、三十路半ばです」と自己紹介し続けて幾歳月。三十路半ばずいぶん前に卒業したけれど、最年少編集部員からはなかなか卒業できません。ここでは、編集部で(主に)夜な夜な起こる、ヘンな出来事やちょっといい話などをご紹介していきたいと思います。
 

第34回
ナゾの声

近頃、夜昼なく編集部にこだまするもの。

ぼへー。

声の主は、コロポックル塚越さんです。
さまざまな感情を「ぼへ」の2語で表現します。

たとえば取材の予定がなかなか決まらない時期。
ぼへぼへ…。
力なく消え入るようなつぶやきです。

締め切りに追われて、撮影に走る日々。
ぼっへー!
力強く、追いつめられている感情を吐露しています。

節電のため、階段で4階にある編集部まであがってくると、
ぽへー。
「ぼ」が「ぽ」に聞こえる。

眠たくてたまらない夜中。
ぼへ~~~。
おなかの底から絞り出すような、オソロシイ声が…。

「ぼへ」の語源は定かではありません。なぞです。でも、ぼへぼへ言ってる塚越さんを見ていると、さまざまな場面(主に追いつめられている場面)で、この言葉を発すると、なんだかすーっと気持ちが楽になるような。「あーあ」とか「疲れた」とか言うよりも、明るくって、いいかんじなのです。いつしかみんなにも伝染して、締め切り前の編集部は、あちこちが「ぼへー」となっている次第。

最近、5月に発売になる『料理上手の台所 その2』という書籍の原稿書きを終えた塚越さん、晴れ晴れした顔でデスクの上を片付けながら、

ぼっへぼっへぼっへ …… ♪

明るい鼻歌調の「ぼへ」を披露してくれました。
あらら。この言葉、うれしいときにも使えるんですね。