第15回 酔っぱらいの台所
ペリカン戸田の遠い夜明け
クウネル編集部の戸田史です。「いちおう最年少ですが、三十路半ばです」と自己紹介し続けて幾歳月。三十路半ばずいぶん前に卒業したけれど、最年少編集部員からはなかなか卒業できません。ここでは、編集部で(主に)夜な夜な起こる、ヘンな出来事やちょっといい話などをご紹介していきたいと思います。
第15回
酔っぱらいの台所
高校の同級生が家に遊びにきました。今日は、女ふたりでごはん会。冷蔵庫の中身とにらめっこをして、頭のなかではなんとなーく、作る料理は決めてはいたのですが、何の準備もしないままに、友人が到着。
気の置けない友人だから、まぁ、いいかなと、お土産に持ってきてくれたワインを飲みながら、ちょこちょことつまみを作り続けていました。ちなみにこういうときにものすごく役に立つのが、高橋みどりさんの『伝言レシピ』と『酒のさかな』です。久しぶりの再会に、おしゃべりは尽きることなく、食事もお酒もぐんぐんと進みます。空のボトルが1本、2本と増えてゆく。そうこうするうちに、すっかり酔いがまわり、ペリカン、ちょっとヘロヘロになってきました。
夜も更けてきて、〆のごはんと味噌汁を作る頃には、なんだかもう、訳のわからないことになって、栗ごはんにするつもりだったのに、栗のことをすっかり忘れて白いごはんを炊く始末(しかもなぜか3合も。女ふたりなのに)。ふと思い出したのは、以前、『料理上手の台所』で取材させていただいた方に、夜ごはんに呼んでいただいた時のこと。
もちろんすべての料理の下ごしらえはきちんと済ませてあり、お酒を飲み、おしゃべりをしながらも、てきぱきとものすごーくおいしいおかずをふるまってくれたのでした。さすが料理上手さんは、ぬかりがないなぁ。
教訓。
とことん酔っぱらうつもりの日は、飲む前に下ごしらえを。