第30回 あせも編集部
ペリカン戸田の遠い夜明け
クウネル編集部の戸田史です。「いちおう最年少ですが、三十路半ばです」と自己紹介し続けて幾歳月。三十路半ばずいぶん前に卒業したけれど、最年少編集部員からはなかなか卒業できません。ここでは、編集部で(主に)夜な夜な起こる、ヘンな出来事やちょっといい話などをご紹介していきたいと思います。
第30回
あせも編集部
日が落ちてずいぶん経つというのに、もわぁっとした熱気に包まれた夏の夜。近くの公園からかすかに聞こえてくる盆踊りの音色を聞きながら、編集部でカタカタ、コトコトとパソコンに向かっていたペリカン。隣の太田さん、向かいのデスクのコロボックルこと塚越さんも、黙々と仕事にいそしんでいます。昼間、取材や撮影に出かけているこの時期は、夜になってからデスクワークにとりかかることが多いのです。
一同、しばし沈黙&集中。いち段落ついたところで、ひと息いれようと、伸びをした。天井に向けてぐぐいと伸ばした腕を何気なく見やると、赤いぷつぷつを発見。「あせもだ……」。つぶやくペリカン。間髪入れず「わたしもなの~」と腕を見せる塚越さん。もしや?と隣を見れば、太田さんも黙ってうなずいています。
赤ちゃんや子どもならいいけれど(肌にはよくないですが)、いい大人が3人揃って、かなりマヌケです。「あれま、首にもできてるよ」。「やっぱりあせもにはベビーパウダーだね」。「ひゃ~、クウネル編集部あらため、あせも編集部だねこりゃ」などと言い合いながら、夏の夜はふけてゆくのでした。