第41回 番外編 韓国特集に捧ぐ、現地で思ったこと
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第41回
番外編 韓国特集に捧ぐ、現地で思ったこと
今号の『ku:nel』は韓国特集。 マドロスも編集部に帯同し、ソウルで撮影させて頂きました。プライベートでも何度も訪れたことがあるソウルですが、今回はいままでと大きく違いました。 それは言葉(ハングル)。何度訪れても挨拶程度の会話しか憶えられないし、文字にいたっては全く頭に入ってこない(きっと日本語も外国の旅行者にとっては同じなのだろうなと感じた)。それが今回は取材なので現地ではコーディネーターの方々が通訳してくれ、いろいろ教えてくれる。ハングルだけで書かれたメニューに動揺することもなく、韓国の人々との日常会話もこれまでよりわかりあえた。
となりの国だから知りたいことが山ほどある。 生活習慣や社会の出来事など言葉が理解できるとあらば、見るもの全てが気になる。ご飯も美味しいし、人々の暖かさを感じ、知れば知るほどここで暮らしたいとさえ思えた。
韓国に居心地の良さを感じるもうひとつの理由がある。それは人前や食事中などで許されている作法やマナーが日本と大きく違うことだ。 例えば立て膝や肘をついて食事をしても、韓国では行儀が悪いとは言われない。膝が弱くあぐらをかくことが苦手な自分にとってこれはすごく大きな習慣の違いだ。 そして器を手で持つのはマナー違反だそうだ。立て膝や肘をつくことにはすぐに慣れたくせに、器を手で持つことだけはどうしてもやめられなかった…。 これらの習慣は小盤(ソバン)という1人用のお膳で食事をすることからきているという。
このように気になった目の前の些細なことをコーディネーターに「どうして、どうして?」と聞いては「なるほど」と知る。今回これまでの旅とは違い、より韓国を好きになれたのはコーディネーターの方々のお陰である。本当にカムサハムニダ。
サムギョプサル(豚の三枚肉の焼き肉)屋さんで食事している時のこと、隣のテーブルに座っている山登り帰りのおじさん集団のひとりがわざわざこちらにお尻を向け「ブッ!」とひねり出すようなオナラをした。呆気にとられる我々を気にするでもなく、何事もなかったように肉を焼くおじさん達の姿を見て「これも大丈夫なんですか?」と聞くと、コーディネーターはこくりとうなずいた。
平成23年11月19日
マドロス陽一