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第14回 ちょっとうれしい


ペリカン戸田の遠い夜明け

ペリカン戸田の遠い夜明け sun
クウネル編集部の戸田史です。「いちおう最年少ですが、三十路半ばです」と自己紹介し続けて幾歳月。三十路半ばずいぶん前に卒業したけれど、最年少編集部員からはなかなか卒業できません。ここでは、編集部で(主に)夜な夜な起こる、ヘンな出来事やちょっといい話などをご紹介していきたいと思います。
 

第14回
ちょっとうれしい

熊谷や岐阜で、40度を超える猛暑を記録した日の夜。取材を終えたペリカンは、汗をふきふきで銀座の町を歩いていました。すると、サラリーマンのおじさんがふたり、歩み寄ってきました。「すみません、このへんで有名な餃子屋さんって、どこでしょうか?」と尋ねられた。

銀座のはじっこにある出版社に勤めて10年ほど経つけれど、よくよく考えてみると、銀座の町を歩いていて、道を尋ねられたことがなかったような気がする (たぶん)。だから、「あれあれ私、銀座通に見えたのかしら」とちょっぴりうれしくなったのだが。

涼しい顔をして、「ああ、その餃子屋さんはあの道をまっすぐ行って……」なんてすらすら言えたらよかったのだけれど、ペリカンはその店の場所を知りませんでした。あら残念。汗だくになりながら、「ああ。うう。向こうだったような気もしますが、他の方に聞いてみてください」。ちょっと格好悪いですね。

いま、編集部では次号の特集の取材の真っ最中。銀座の町の特集です。この取材を機に、ペリカン、少しでも銀座通になれるようがんばります。