暮らす場所がいくつかあること。 nanuk & Premium
拠点がいくつかある暮らしっていいなぁ。予約もせず、荷物も持たず、ふらっと行けるのがいい。贅沢な、いわゆる別荘なんかじゃなくていい。マンションの一室でも、ちいさな小屋でも。いつもの生活から離れ、気忙しさからも距離を置くことで、別の人になれた気がするなんてのは言い過ぎだろうか。暑さを避けるのが避暑地ならば、忙しさを避けるための避忙地とでも名付けようか。人はきっと、どこかに、いつでもちょこっと避難できる場所を持っておく方がいいんだと思う。
絵・文/水野 学
みずの・まなぶ/クリエイティブディレクター。〈good design company〉代表。著書に『センスは知識からはじまる』(朝日新聞出版)、『「売る」から、「売れる」へ。』(誠文堂新光社)ほか。