From Editors No. 1099フロム エディターズ 担当編集より
担当編集より
日常の中の一番身近な非日常、それがカフェという空間です。
横浜にあるツリーハウスカフェは、最寄駅から歩いて10分弱。斜面に並ぶ住宅地の階段を何段も上った先にあって、お世辞にもアクセス至便とは呼べない立地です。にもかかわらず、ちょうどオープン時間に取材と撮影が終わり、Hanakoのスタッフがお店を出ると、開店を今か今かと待つ、期待に胸を弾ませたお客さんたちが何人も並んでいました。谷中の古いアパートを改装したカフェを取材した日は、ちょうど谷中まつりの開催日。お店の前はいつも以上に人通りが多かったのですが、通り過ぎる人がみな、興味深そうにこのカフェを覗いていて、やはり開店時間の数分前には、何組ものお客さんが待っていました。並んでまで入りたい。日本人らしい、で片付けるのは簡単ですが、そこまでカフェがみんなの心を掴むのはなぜか。おそらく、カフェは日常から最も身近な“非日常”が味わえる場、だからなのかもしれません。他のお客さんが食べているものを見たりしながら、何を頼もうかあれこれ考える。まだかな、もうそろそろかな、なんてそわそわしているうちに、ようやく自分の順番がやって来る。席に通されて、メニューをつらつら眺めて、オーダーを通せば、もうそこから先は、居心地のいい空間とひとときが待っています。みなさんのふだんの生活に、大きな安寧とちょっぴりのスパイスを与えてくれる、両想いのカフェを見つけていただければ嬉しいです。
(編集担当 蜂須賀雄一郎)