From Editors No. 1114フロム エディターズ 担当編集より
担当編集より
ワインが飲みたくて函館へ通う、という人たちがいる。
目指すは函館の街中にある小さなブティックワイナリー農楽蔵のNORAシリーズのワインだ。古い家を改造し、年間15000本のワインが農楽蔵から巣立っていく。フレッシュかつぶどうのおいしさがぎゅっと閉じ込められたようなワインは、リリース後はあっという間に売り切れてしまう幻のワイン。そんな農楽蔵を営むのは佐々木賢、佳津子さんご夫婦の二人。ともにフランスで醸造と農業を学び、国内外のワイナリーで経験を積んだ。ワイン作りのために函館にやってきた二人は郊外にあるぶどう畑と市内のワイナリーを行き来しながら日々、ワインと向き合っている。残念ながら直販売を基本的に行っていないので、ワイナリーに行っても憧れのワインを手にすることができない。が、「地元の食にあうワイン」づくりを心がけているお二人。地域のいくつかの飲食店にそこだけでしか飲めないワインを卸していた。ワインは買えなくても、函館のいくつかの飲食店を目指せば農楽蔵のワインが飲めるというわけだ。NORAKENと呼ばれるそのワインは、もともと佐々木さんたちが実験的に作ったもの。ワインというものはぶどうが育った土地の食べ物と相性がよいと言われている。1杯の値段はお店によってまちまちだが、新鮮な函館の食という最高の食べ合わせが楽しめるなんて「ちょっといい話」なのではないだろうか。
(担当N)
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