From Editors No. 1141 フロム エディターズ 担当編集より
担当編集より
“ひみつ”が似合う町、
京都の魅力にずぶずぶと。
京都の町でよく迷子になります(泣)。町がきれいに整備されているだけに方向感覚を失い、「もう大丈夫」と思ってスマホをしまった後にも、長いこと町を巡る羽目になることがしばしば……。待ち合わせた人と分かりやすい場所でようやく落ち合い、連れて行かれた先が路地裏の店なんてことも少なくありません。「この場所だったら迷子になるのも仕方ない」とひとり腑に落ちる一方、細い路地を歩きながらワクワクしている自分に気がつきます。私にとって、京都の町歩きはちょっとした冒険なのです。探り当てた1軒の扉を開けてびっくりすることも京都の町では頻繁です。通りの喧騒とは打って変わって、壁に一輪挿しがあるだけのバーや、オーナー独特の世界観が爆発している飲食店など、まるで前を通る人たちには内緒にしているかのような異空間が広がった店に驚きます。京都は“ひみつ”という言葉が似合う町。だから、特集タイトルを「ひみつの京都」にしました。人も町も一緒で、どこかミステリアスなところに惹かれちゃうのかも知れません。おぉ、あぶない、あぶない、深入りするとあぶないぞ……なんて思いながらも、時すでに遅し。気づけば京都の“虜”です。
(担当編集:阿部太一)