第22回 すきな船はどんな船
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第22回
すきな船はどんな船
先週、撮影で九州を旅してきました。福岡、大分、熊本、長崎、5泊6日の車での旅でした。熊本から長崎への道中、車で北上してから長崎へ向かうよりも熊本港から長崎港へ船で渡る方が近道だということでカーフェリーに乗りました。広く青い甲板に出ると右に見えるは天草諸島。秋の潮風に吹かれ、修学旅行生達がワイワイ写真を撮り合っています。船旅はいつも胸が高鳴るなぁ。
思えば、これまでいろんな船を見てきました。海面から船体が浮いてしまうくらい速く走る高速船、レストランや大浴場などの設備が充実した長距離の大型フェリー、毎日通勤通学に使われる゛瀬渡し゛と呼ばれる小さなボート。日本のいたるところで船は走っています。島国である日本の交通には船が欠かせないのだなとおもいました。
熊本に向かうフェリーの甲板で自分が好きな船のタイプとその条件を考えてみました。現在、いろんな港でみかける客船は、スピードが早く、安定性のある高速船が多くなりました。高速船のほとんどはそのスピード故に船外や甲板に出ることができません。マドロスは甲板のあるフェリーが好きです。船=甲板。外に出られる船がいいのです。
甲板に出て写真を撮ったり、珈琲をすすりながら考え事をしたり、鼻歌を歌ったり、本を読んでいつの間にか眠ってしまったり……。船内の大広間ではごろごろもできる。とにかく船内を動き回れる大きなフェリーが好きです。スピードは遅くても構いません。
デザインも大事です。流線型ではなく、古くても直線的な、まるで建物のような船のデザイン(四国フェリーの『第81玉高丸』高松~宇野航路のフェリーはいい感じです)が好みです。乗船している時間も重要です。あまり長く乗り過ぎても時に船酔いしてしまうし、早く目的地に着いてもそれはそれで寂しいものです。(チェジュ島からウドまではたった15分でした)
遊覧船や観光船は、その目的から奇抜なデザインで船旅を盛り上げてくれます。今まで乗った遊覧船で好きな船は、北海道は紋別の流氷砕氷船『ガリンコ号2』です。その名のとおり前方両脇の2本のドリルを回転させ流氷を砕きながら前へと進むのです。(もし怪獣が現れたとしても大丈夫そうな外見とその名前、夏はどのように過ごしているのでしょうか)
先日、福岡の門司港で関門海峡を遊覧している『ヴォイジャー』という名前の船に”遭遇”しました。『スペースワールド』が観光名所の北九州市。それに合わせてなのか『ヴォイジャー』は宇宙基地をイメージしたボールの様な丸い船でした。その『ヴォイジャー』は巌流島経由で関門海峡をプカプカとクルーズするそうです。 歴史と宇宙のスペクタクルです。