nanuk & Premium 12月のこと。
12月はいいなぁ。空気も澄んで、いつもの星も、いつもの街も、キラキラと瞬いているのがいい。そんな光を眺めていると、寒さもそう悪くないことのように思えてくる。1年の終わり、ただ時が経つだけのことだけど、時間だけはどんな人にも分け隔てなく流れていて、その儚さを世界中の人たちが一斉に感じている瞬間かもしれない。鼻から大きく息を吸い込んでみると、ツンと痛い。これを冬の「におい」だと教えてくれた人がいたっけ…。あの人は今、何をしているだろう。
絵・文/水野 学
みずの・まなぶ/クリエイティブディレクター。〈good design company〉代表。慶應義塾大学特別招聘准教授。著書『センスは知識からはじまる』(朝日新聞出版)他。