秋はいいなぁ。落ち葉を集めて焼き芋作りもいいけど、炎をただ眺めるのもいい。秋はなぜこんなにもロマンチックなんだろう。芽吹いた木々が燃えるように色づき、晩秋の訪れを待って落ちていくその様は、まるで生命の循環のよう。少し大きめの鞄に本を数冊と荷物を詰め込んで、旅にでも出ようか。そんなことをしたら、「時間」と「恋」について考えることになるのは、わかっているのだけれど。

絵・文/水野 学