美のこと。 nanuk & Premium
美はいいなぁ。装飾的な美もあれば、機能的な美もあるところがいい。美しいという字は「羊」が「大」きいと書く。古来、羊は神事の献物で、大きい羊がより善いとされたことからこの字ができたとの説があるみたい。文字がうまれてから数千年の時を経て、美しさの概念も変わってきたのだと思う。特に価値観が多様化する現代では、美の基準は時や場や人によって異なり、ひとつの考え方では語れない。でも、潔い美しさの根底には必ず、機能美が存在しているように感じる。
絵・文/水野 学
みずの・まなぶ/クリエイティブディレクター。〈good design company〉代表。著書に『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』『センスは知識からはじまる』など。