食べることはいいなぁ。毎日のことなのに、五感の全てを研ぎ澄ませてしまうところがいい。それだけ大切なことなのだと、アタマとカラダが理解しているんだと思う。移りゆく季節の中、その時、その土地の恵みをいただく。同じ素材でも、風土や、風土が醸成した文化によって、様々な「料理」へと姿を変える。土地ごとに似て非なるものが作られ、食され、伝えられていく。この食卓に並ぶまでに、いったいどんな旅をしてきただろう。自然と手を合わせたくなる。いただきます。

絵・文/水野 学