実はこの写真は、あるインテリアショップで撮影したものなんですね。東京オリンピックでもっと活用しろ！　とかいわれているあの運河を目の前にみる、ほら、あのお店。でもって、ここは北欧か、と叫びたくなるくらいスタイリッシュなんだけど、鹿やイノシシの肉がぶらさがってるレストラン併設の。（詳細は本誌にてどぞ）元は倉庫だったという広い店内の一角を、スタッフの方の熱いご協力のもと、一瞬にしてスタジオにしてしまったわけです。ショップにあるものはどれも素敵なものばかり。それをそのまま撮るのはトレンディドラマの編集者。実際の撮影現場は一癖も二癖もある人々がキャスティングされているので、「家に帰ってきたら急に眠くなっちゃった女の子っていう設定は？」とか「このラグ、空中を飛ばせないかなあ」とかの放言大会。そんな言葉を聞き流しながらシャッターを押し続けた平野太呂巨匠の写真と、まったく聞いてないコラージュ名人の田中貴志くんのコラボがこうやって実を結んだ次第。コンピュータでなんでもできちゃうこの時代に、鋏と糊を駆使したローテクの結晶。このコンビの作品、テーマを変え、内容を変えて密かな連続発信を目論んでおります。次号ではどこでどのように出現するか、見つけた人は狼煙で連絡ください。

（編集Y）