助けるでもなく、サポートするでもなく。ボランティアってどういうことだろう。 From Editors No.2142
From Editors
編集部リレー日誌
助けるでもなく、サポートするでもなく。
ボランティアってどういうことだろう。
今回担当した“ボランティア”は、初めて取材するテーマでした。手探り状態でいろいろな方に話を伺い、ボランティアについて学ぶ取材となりました。その中から、ページ構成や字数の関係で誌面ではご紹介できなかった、でも印象に残っている言葉を紹介します。
「知的・発達障害児の福祉施設のボランティアで何をするかというと、子どもたちと遊ぶだけなんです。まずは友達になることから始めよう、なんですね。どれでも同じで、ボランティアって人と出会って友達を増やすことなんじゃないかなと。友達だから手伝いたくなる。友達だから一緒に居たくなる。性別年齢関係なく、人と人としての触れ合いが増えて友達になるとそれが楽しみになる…。だからサポートじゃないし、助けることでもないんですよね。それがボランティアではないでしょうか」(両育わーるど・星野勝太さん)
「国際協力のボランティアでは、例えばイラクやパレスチナに行って、現場でやり甲斐や手応えを感じることが簡単にはできません。だから想像力が必要になってくると思うんです。支援を必要としているのは、遠い国の可哀想な人ではなく、普通に生活を送っていた人が何かの理由でたまたまその権利を奪われてしまっただけで、自分たちと同じ人たちが暮らしています。そのことに思いを馳せてもらって、自分にできることがあればやってみたいと思ってくれる人が増えればいいなと思います。まずは、そういうマインドを持ってもらえれば」(日本国際ボランティアセンター・仁茂田芳枝さん)
「いつも最初は様々な現場に、『よし、これでいい記事が書けるぞ〜。いい映像が撮れるぞ〜』と思って取材に行くわけです。100%、伝えることで社会のためになりたいと思って行くかといえば、そんなことないんです。でも行ってみるとそういう野心を忘れるくらいの出会いや学びがあり、最初のモチベーションに変化が生まれて帰ってくることが多いんですね。『就職に有利だから災害ボラすることにしました』と言ってた僕のところのインターンたちが、実際に行ったら『逆に勇気もらいました!』と帰ってきます。気持ちを動かす何かがある、そこがボランティアの醍醐味なんだと思います」(ジャーナリスト・堀潤さん)
自分も取材を通してボランティアのイメージが変わりました。本誌を読む際に、ここの話もちょっと思い出していただけるといいな、と思います。(M)