この人たちがいて初めて楽しめる。エンタメを作るプロフェッショナルたち! From Editors No.2261
From Editors
編集部リレー日誌
この人たちがいて初めて楽しめる。
エンタメを作るプロフェッショナルたち!
ドラマの美術、ミュージカルの衣装&床山、コンサートの照明…。普段、表舞台には出てこないけれど、でもその人たちがいなければエンタメ作品は完成しない、そんなプロフェッシュナルの「作り手」さんたちを取材しました。
その中の一つ、コンサート照明の取材で伺ったのは、江東区の東京舞台照明さん。今号の表紙を飾るKis-My-Ft2はじめ、嵐、V6ら人気グループに、乃木坂46などの女性アイドル、そしてあのBTSも。これまで数々の有名アーティストのコンサート照明を手掛けてきた会社です。まず圧倒されたのが、照明機材のスケールと物量。綱引きの綱のような極太のケーブルがラックにずらり。倉庫のフロアは数え切れないほどの配電器のボックスが並んでいました。取材は月曜日の夕方だったのですが、「月曜日は、週末に公演があったコンサート会場から搬出した機材が一気に会社に戻ってくるんです」と、ライティング事業部の三石貴久さん。会場には照明機材は一切ないので、すべて会社から大型トラック何台分も持っていくのだそう。会社の駐車場が広くて、でっかいシャッターの出入り口があったのはそのためかと納得。トラックが横付けできるようになっているんです。
続いて、照明パターン作成の現場を見せていただきました。照明デザイナーさんが向かっているのは、キーやらダイヤルがたくさん並んだ専用コンピューター。これで照明をプログラミング言語化して、一曲の間にも目まぐるしく変わるパターンを作り上げるのだそうです。これなら本番で間違えることもない? と思ったら、実はプログラムは細かく分割されていて、パターンが変わるたびに人の手で再生キーを押さないといけないのだとか。押す回数は1公演でゆうに1000回は超え、最終的にはやっぱり人が完成させているのでした。ちなみに、取材に先立ってある人気グループのコンサートDVDを観て予習したのですが、演者のパフォーマンスではなく、東京舞台照明さんが手掛けたという照明だけに注目して観るという、初めてで新鮮な体験になりました。
本誌では、東京舞台照明さんのほか、劇団四季『オペラ座の怪人』の床山さんと衣裳さん、ドラマ『彼女はキレイだった』のセットを作った美術さんらにも取材しています。取材を通して、最新のテクノロジーなども随所に取り入れられているけど、やっぱり最後は、「作り手」さんたちプロのテクニックと情熱に支えられてエンタメができているんだなぁと実感しました! (KM)
