消したり、盛ったり、とったり、つけたり、生やしたり。やろうと思えば何でもできるのが近頃の写真です。なにしろデジタル主流で、撮影後はコンピューターで画像処理のご時世ですから。あなたの見ているあの人の写真だって、ほら……。

て、脅してどうする、えへん、こんにちは、今号では表紙と巻頭を担当しました編集KHです。表紙は、腕、胸、腹、の三部位を際立たせるために、背景を変えて三分割にしてみたのですがいかがでしたか？　えーと、聞かれてませんが、言わせてください。これって、コンピューター処理ではないんですよー、よー、よー（谺）。

赤、青、黄のバックをいちいちそのつど変え、モデルさんにまったく同一のポーズをとってもらって、それを組み合わせたものなんです。何のため？　何のためって、旦那、同一と思えてもそこは人間のすること。微妙なズレや差異が生むカラオケ館、でなくアナログ感というか、1/f的なゆらぎを追求してみたかったのです。コンピューターにはない。

ということで、いつまでこの格好させるんだよ的な空気が微妙に漂うスタジオで、スタッフのたゆまぬ根気によって撮影されたこの表紙、いかがでしたでしょうか！　この拙文を読まれたら、いま一度、そういう目で今号の『ターザン』をご覧になってみてください。