「十数年ぶりの、性のお勉強。」 Tarzan Editors No. 816 最新号より part 1
From Editors 最新号より part 1
「十数年ぶりの、性のお勉強。」
Tarzanとしては3年ぶりとなる、「性学」特集(前回は2018年8月)。性“学”の名の通り、アカデミックな視点で展開される特集の中でいくつかのキーとなる企画を担当しました。これだけ多様性(という言葉で片付けるのは、あまり好きではないですが)が叫ばれる2021年に、ヒトとヒトの最たる触れ合い方とも呼べるその行為について、どんなメッセージを伝えていくのか。あれこれ考えるその過程は楽しく、少しばかりのプレッシャーもあり。
立ち止まってみると、性について真剣に考えたことなんて、正しい知識を身につけようと行動したことなんて、これまであったでしょうか。自信を持って、ハイ! と言える方は、そういないはず。かく言う私も、最後に勉強したのは十数年前の高校時代、保健体育の授業まで遡ります。
実践的なテクニックを身につけたい! と思いながらこの本を手にとった方も多いでしょうが、ちょっとストップ。まず読んでいただきたいのは、セックスとカラダについて、基本のキを学ぶためのお勉強「生理学」のページです。
男性・女性、普段の生活では知らざるを得ない、それぞれのカラダの秘密。そして、セックスの最中カラダに起きている“性反応“を、細かく図解して説明。高校の授業では恥ずかしくて茶化してしまった、そんな淡い思いが蘇りますが、「生理学」序盤で用意している「性の知識をアップデートするQ&A」のページと併せて、クールな性の知識としてインプットしましょう。
続いて紹介している「ホルモン学」も、知っておいて損はないはず。飲みの席で話せる話題になるかは分かりませんが、何せ、“浮気性”であるかないかは、ひとつのホルモンの存在が関与していた…。なんてことがあったり、なかったり(真相は24Pにて)。
ちなみに、今回の取材を通して特に心に残っているのは「心理学」ページでお会いしたAV男優・しみけんさんの一言。漫画『チェンソーマン』に出てくる“エッチなことは相手を理解すればするほど気持ちよくなる”というセリフを挙げ、「まさにこれ!」と叫んでいました。何を今更、と思う方もいるかもしれませんが、胸に手を当てて、いちど考えてみて欲しい。日常においても、普段から触れ合い、お互いのことを、お互い以上に知ろうとすること。深く歩み寄ること。これこそがパートナーとの関係において、何よりも大切なんです。
きっと、読み進めていくうちに、「性」がより身近なものになっていくはず。そして、大切な人のことをいまいちど考える、そんな機会になればいいな、そんなことを思いながら編みました。どうぞご覧ください。