「走る旅」の楽しさを知ってしまいました。今までは旅行というと現地の交通機関を使い倒し、いかに効率よく多くの観光名所を回るかが勝負。そのように考えていた節があります。ところが、移動手段をロードバイクに代え、あるいはランニングやウォーキングによって巡るだけで、旅行はその趣をガラリと変えます。セカセカしていた時間がゆったりと流れ始め、口にするグルメや旅館の温泉の感動も、急に３割増になるのです。

気持ちよくかいた汗をお風呂で洗い流し、へとへとのカラダには地酒が染みる。そして目前には観光地の景観。これを極上と呼びます。

今号から全３回で始まる隔週連載「みちのく潮風トレイル 700kmの旅」レポートは、まさに『ターザン』流のそんな旅をご提案。青森県八戸から福島県相馬までをつなぐ、700kmにも及ぶ長大な道。これを走って、歩いて、食べて、呑んでの２泊３日プランとして紹介します。

スタッフも仕事を忘れて楽しんでしまったほどのオススメ旅行なのですが、実はこの取材、鬼門が１つ。編集長に取材報告をすると、１人だけ楽しげな取材をしてきた、ということでへそを曲げられてしまうのです。