Tarzan Editors No. 687 編集長かく語りき
Tarzan From Editors 編集長かく語りき
私たち雑誌編集者は、重度の乱読です。
文芸書も漫画も、新書も、スポーツ科学も、およそ統一感はありません。
もちろん『Tarzan』関連の仕事で読む本は、医学系や運動系が中心。
でも、気晴らしに読む本は、全く脈絡なしです……。
最近、私が面白かった本は、世界最高のマラソンランナーが2時間の壁を超える可能性をルポしたエド・シーサ著の『2時間で走る』。
同じタイミングに出た、日本ランナーの可能性を追求した『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』(酒井政人著)も“私的に”タイムリーな一冊でした。
また、3年ほど前の本ですが、“リハビリ界の巨人”と呼ばれるスーパードクター・神山五郎先生の『従病という生き方』も深~く唸らせられ……。
病気や障害との「共生」をテーマにした本ですが、ダイエットやメンタルヘルスにも共通する深い人間への洞察力に溢れています。
「自分のカラダにマイナスの暗示をかけず」とか、治らない病気や障害のために頑張り続けるコトを「人生の拷問」と表現するなど、哲学書のような深い内容です。
この、聞き慣れない“従病(しょうびょう)”という言葉を初めて知ったのは、筑波大学の田中喜代治教授の講演会でのコト。
人生、いろいろな本との出会いがあるモノです……。
夏や冬など、少し長い休暇中は、普段は読まないモノも物色します。
で、ウマル・ハイヤームの『ルバイヤート』の次は……。
ハイ、漫画版の『Tarzan』です(笑)。
●『ターザン』編集長 大田原 透