Tarzan Editors No. 694 最新号より
From Editors 最新号より
人にまかせた人生だから♪ の巻
昔、自分は寿司屋でアルバイトをしていました。格別にギャラがよかったわけでもないのに、たしか2年くらい続きました。
ネタの切れ端で老いた店主が作ってくれた賄いのバラ寿司はうまかったなあ。岡持ちに5、6人分の飯台を詰めると自転車の片手運転がしんどかった。平日の昼からビールを飲んで麻雀を打っている大人に「コラ、醤油はいってねえぞ!」とどやされた。夏祭りに店主が出かけてしまうと、拳のごっつい流れの板さんが雇われた。そのときは常連客がぴたっとこなくなった。飲食店なのに猫を飼っていた。猫は店の裏口で海老の頭を与えられていた。「海老」は「鰕」とも書くということを洗い物をしながら知った。それは下町の古い寿司屋でした。
こんにちは。今号では表紙と巻頭を担当しました編集部KHです。人生に必要な魚編の漢字はすべて湯呑みが教えてくれました。でもそのほとんどは忘れました。せっかく教えてくれたのに……。そして、このたびのテーマ、脂肪を分解してみればグリセロールと脂肪酸に、ではなくこの場合「旨」と「方」とふたつの「月」。ということで、このような月ひとしずくづくしの湯呑みを作製してみたのですが、できばえのほうはいかがでしたでしょうか。人生に必要な肉月(にくづき)の漢字はぜひこれで覚えてください〜。10名の方にプレゼントいたしますので。詳しくは本誌にて、どうぞ。
●担当:編集KH