初夏の山々の頂に憩いあり……。 Tarzan 編集長かく語りき No.719
Tarzan From Editors 編集長かく語りき
初夏の山々の頂に憩いあり……。
あの頃は、今よりずっと、山を楽しんで走っていました……。
思い起こすのは、高校の頃の、初夏の沢登りです。
シャワークライムで全身ずぶ濡れたカラダを、山頂の風でクールダウンすると、仲間とのタイムトライアルがスタートします。
仲間たちと競ったのは、源頭の山頂から、隣のピークへの20分ほどの往復。
歩いても往復1時間ほどの一般登山道なので、学年ごとにヒート分けすると、
走っている様が手に取るように観察でき、ランチ後の最大の楽しみとなります。
今のような優秀なウェーディングシューズも無かったので、当時の足元は、地下足袋に草鞋というイデタチ(フエルト底の地下足袋は、まだあるようですね)。
つまりは、0㎜ドロップの5フィンガーのようなモノです。
テクニカルな沢登りの後なので、身も心もザイルから解いた、ガチの体力対決、当然に燃えました(笑)。
あ、夏合宿の最終日も、軽くなった荷物を背に、林道を爆走しました。
1週間耐え抜いた、重い皮の登山靴と、肩に食い込んでいたキスリング(100ℓは軽く入る帆布製ザック)、汗で煮詰めたようなTシャツから解放される喜びで、まさに、飛ぶような足どり!
体力の限界を乗り越えた、逞しく成長した仲間との、本気の遊びの瞬間でした。
あれから、ウン十年……。
いまだ、本質的には、何も変わっていないのかも……。
富士五湖のウルトラを走るために、山をトレーニングで走り、実感した次第です。
●『ターザン』編集長 大田原 透