カラダに残る“古戦場の記憶”。 Tarzan 編集長かく語りき No.740
Tarzan From Editors 編集長かく語りき
カラダに残る“古戦場の記憶”。
かつて出たマラソンのコースや、自転車イベントで走った土地、歩いた山道。
そんな場所を、久し振りに通ると、不思議な感覚に包まれます。
その時の天候、風や匂い、その他の印象の残渣が、ふっと横切ります。
私は勝手に、カラダに残る“古戦場の記憶”と呼んでいますが、
スポーツの体験は、五感全てを動員しているから、強く感じるのでしょう。
だからこそ、今年1月の崩落で通行止めになった、
神奈川は西丹沢の玄倉林道のニュースは衝撃でした。
そうでなくても崩落しそうなトンネルがあるため、林道の奥のヒュッテは
長年に渡って閉鎖され、クルマはもう何年も通れなくなっていました。
それに加えて今回の斜面崩落で、林道の一部区間まで、歩行者を含めて閉鎖。
ここ数年はユーシンブルーと言われ、多くのヒトに知られるようになっていた、
青く澄んだ水を湛える発電用の小さなダム湖は、今は観るコトすら叶いません。
いつでも触れられると思っていた“古戦場の記憶”なのに、
もしかしたら、永遠に辿れないものになってしまうかも……。
よし、これから数年かけ、“古戦場の記憶”を辿るコトにしよう。
Tarzan編集部で過ごした時間を振り返りつつ、そんなコトを思うGW初日。
山へ、地方へ、遥かな場所へ!
遊びに行くよ~!
●マガジンハウス『Tarzan』編集長 大田原 透