マガジンワールド

From Editors 編集部こぼれ話

加賀野菜の機能性とは?伝統野菜の深い世界に触れてきました。

日本全国各地方で栽培され食べられて来た伝統野菜の中にも、高い機能性を持つ野菜があり、生産、研究、販売、消費と各方面から注目あるいは再評価されてきています。そこで今回、伝統の加賀野菜はじめ地元の野菜の注目度を高めるべく努力している石川県に取材に行って来ました。

1月はじめの北陸取材というと雪が心配でしたが、取材当日はからりと晴れて気持ちいい日差しの1日となりました。小松空港から乗り込んだタクシーの運転手さんの話では、白山がきれいに見えて、この時期珍しいお天気とか。運転手さんから「ところで松井選手の取材?」と聞かれたので「?」と思ったら、ちょうどその日が石川県能美市出身の松井秀喜さんの市民栄誉賞授賞式だったのです。

「いえいえ松井選手でなく、加賀野菜の取材なんです」というと、運転手さんから意外な顔をされたのですが、その後加賀丸いもや加賀れんこんを取材して回って感じたのは、これらの野菜の圧倒的な粘りの強さ! 石川県出身の松井選手もサッカーの本田圭佑選手も大相撲の遠藤関も、彼らの粘り強さは実はこの地元野菜の粘りが関係してるのではないかと、勝手に想像してしまうほどした。もちろん、科学的根拠はないことなので、今後の研究に期待したいところですが……。

さて今回誌面には掲載できませんでしたが、加賀のさつまいも五郎島金時の仕分け現場では、実に工夫に満ちた仕分けシステムを見学することができました。さつまいもの大きさ、かたち、サイズでこれだけ細分化されている金沢を中心とした食文化にも圧倒されますが、その仕分けが実にユニーク。さまざまな形のさつまいもがランダムに入っている箱からひとつ手に取るとそのいもの重さがマイナスされた分を箱を乗せている秤のマイコンが認識し、音声でガイドされるという仕組み。音声に従ってそれぞれ仕分け箱へ入れていくのです。産地ならではの生産現場のこうしたシステム、たいへん勉強になりました。

金沢市内の近江町市場の青果店で聞くと、五郎島金時はサイズによって味が異なり、金沢の料理店や食卓ではその味の違いにこだわるのだそうです。

味が美味しくて、身体にもいい、そんな地元野菜の食べ方、きっと日本全国さまざまあると思いますので、今後も取材に伺いたいと考えています。ぜひぜひみなさんの地元野菜&食べ方情報を編集部までお寄せください!

(編集TK)
金沢の台所としても有名な近江町市場。お土産を買いに訪れる観光客、またテレビや雑誌の取材チームもつねに行き交って賑やかです。
金沢の台所としても有名な近江町市場。お土産を買いに訪れる観光客、またテレビや雑誌の取材チームもつねに行き交って賑やかです。
近江町市場内の北形青果店の店頭。さつまいもだけでこんなに種類を分けて売っているのはさすが地元ならではの光景。
近江町市場内の北形青果店の店頭。さつまいもだけでこんなに種類を分けて売っているのはさすが地元ならではの光景。
五郎島金時の仕分け作業場を訪問。中央の作業員の方がチェックしてるのはさつまいもの傷みなど。
五郎島金時の仕分け作業場を訪問。中央の作業員の方がチェックしてるのはさつまいもの傷みなど。
作業場の壁に貼ってある五郎島金時分別表。Tシャツにプリントしたら楽しいかもしれませんね!
作業場の壁に貼ってある五郎島金時分別表。Tシャツにプリントしたら楽しいかもしれませんね!


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