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取材なのに、おいしい手料理をご馳走に…。 クロワッサン 編集部こぼれ話 No.955

From Editors 編集部こぼれ話

取材なのに、おいしい手料理をご馳走に…。

井上荒野さんの小説には、登場人物が料理をしたり、食事をするシーンが多い。その描写がとても細やかでリアルで、食べたくてソワソワしてしまうくらい。井上さんも「食べることが好きなので、そこはちゃんと書かないと気がすまない。スポーツに詳しい人がスポーツの描写が得意なのと同じですよ」と笑う。

今回の特集では、井上さんが料理をはじめたころに愛用していた料理本、『おそうざい12ヶ月』(暮しの手帖社)から、「しいたけ丼」と「木の葉カツ」を実際に作っていただいた。手慣れたしぐさでエプロンを身につけた井上さんが、さっそく台所へ。しいたけをグリルでこんがり焼いて薄切りにし、醤油に酒、味醂とかつおぶしを加えて火にかけた「つくり醤油」に入れて和える。

薄い豚肉をくしに刺した「木の葉かつ」も、手際よく下ごしらえし、揚げていく。ごはんを小ぶりの丼によそって先ほどのしいたけを並べ、まんなかに卵黄をのせる。さながら、お母さんの作る手料理をおとなしく待つこどもたちのような状態のスタッフ一同。

「卵黄をつぶして、しいたけと混ぜて食べてください」という指示に従い、一口。驚きの美味しさである。肉でも魚でもないのに、すごい充実感。ほかに形容する言葉もなく「美味しい!」を連呼しつつしいたけ丼を食べる私たちを、笑顔で眺める井上さん。木の葉カツは、衣のパリパリ感がスナック感覚であとをひく。「懐かしい味よね。昔の料理本だから多少古くさいところもあるんだけど、食べるとどれも美味しいんですよ」。

撮影用に、というのでなく、スタッフの人数を確認して全員分を作ってくださった井上さん、ありがとうございます。

(編集Y)
 
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本誌では写真が小さくなってしまったので、アップでお届けします。
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