サッカー界のレジェンドが淹れてくれた、おいしいコーヒー。 クロワッサン 編集部こぼれ話 No.960
From Editors 編集部こぼれ話
サッカー界のレジェンドが淹れてくれた、おいしいコーヒー。
葉山&逗子方面でさまざまなおやつ処をロケハン、取材したが、おやつに負けず劣らず印象的だったのは、『葉山 パッパニーニョ』のオーナー二宮寛さんが淹れてくれたコーヒーだった。なんと独学だという。
二宮さんは、まだ日本サッカー創生期のプレイヤーであり日本代表監督も務めた、サッカー通の間では知られた存在。日本代表選手だった慶応大学在学中から、特にヨーロッパを訪れる機会が多かった。
「19歳の時にチームの遠征でイタリアに初めて行って。レストランでエスプレッソ飲んだとき、『おお! なんだこりゃ』というぐらい衝撃を受けたね」
それから毎日コーヒーを飲むほどはまってしまい、ついに独学でコーヒー店を開くまでに。
驚いたのは、自慢のコーヒーのみならず、繊細でかわいらしいデコレーションのココアフラッペやミルクにこだわったコーヒーゼリーなども、奥様ではなく、二宮さん自らの手作り。
「このココアフラッペはアイスコーヒーがおまけ。コーヒーゼリーはね、アイスココアをサービス。一緒に食べてみてよ、おいしさが増すから!」と、サービスも満点。どちらもコーヒーとセットなのに、さらにおまけがつくのだ。
取材中、壁に飾ってあるスプーンのコレクションに目が留まったライターが「このスプーンを飾ってある棚は珍しいですね…」とつぶやくと「お! よくわかったねえ。各地でスプーンを集めていたんだけどなかなか飾る棚がなくてね。スイスの工房で偶然見つけて、これはいいと買ったんですよ。さすがライターさんだ!」と嬉しそう。
テーブルマットは60年代のサッカーワールドカップの競技場が描かれていたり、二宮さんの栄光の軌跡がうかがえる一角があったり。二宮さん自らが淹れてくれるコーヒーはもちろん、サッカーファンもコーヒー好きも、話題をふれば何でも応えてくれる二宮さんの軽快なトークにも魅了される。
ドイツサッカー界で「皇帝」と呼ばれるフランツ・ベッケンバウワーと交流があった二宮さん。開店するにあたり、来日したベッケンバウワー氏がいくつかの候補から選んで命名してくれたのが店名「パッパニーニョ」。パッパは「お父さん」、ニーニョは「少年」。まさにその両面を持っている二宮さんの人柄も魅力的なコーヒーショップ。葉山近辺に行く機会があれば、ぜひ訪れてみてほしい。