第114回「『話しかけ』で、逆子が治った!」
第114回「『話しかけ』で、逆子が治った!」
□妊娠30週目 4月3日
今日は30週目の健診でした。健診の度に先生がお腹の中の子供の顔を見せてくれる。本日の我が子との面会。早く顔が見たい。と、先生が言った。「あれ? 逆子だね」と。
逆子? よく聞く、あの逆子? 先生の言葉を聞き妻は「え!?」と驚く。妻は自然分娩希望。だからなんとか逆子を直したい! 先生は力強く「絶対治るよ」と言い切ってくれる。「もし二週で治らなかった場合は外回転もあるから!」と言われた。この病院では先生が「外回転」という治療の名医らしい。僕はこの時初めて知ったのだが、外回転というのは、先生がお腹の上から逆子の子供を触って回転させる、そんな方法。すげー、忍者みてえ!と感心してしまうが、そんな場合ではない。外回転をするとなれば、麻酔打ったり、結構大変。出来れば、外回転せずに治った方がいい。
逆子だとわかった妻は、そのまま診察台の上で逆子体操のレクチャーを受けました。レクチャーが始まり、まずはお腹を自分の手で触り、今どこにいるか確認しなければならない。
助産師さんに教わりながら、妻も自分のお腹を触る。しかし、そもそも妻は脂肪が厚いので、中々見つからない。「あれ? これかな? これかな? わからないな」と呟く。そして「脂肪が多いんで、わかりにくいです」と言うと、助産師さんも、さすがにちょっと笑う。逆子と言われた後の初めての微笑ましい光景です!
他人事という言葉がある。冷たい言葉に聞こえるが、自分が経験しない限り他人事なんじゃないかと思う。
過去に妻が流産の経験をした時に、「まさか自分の妻が」と思った。流産という悲しい経験をした人は少なくはない。周りにそういう人もいた。その話を聞いたときに「かわいそうだな」とは思うが、経験した今だからこそ思うのは、その時点では同情はするが他人事なのだ。
経験した時にこそ、他人事ではなく、同じ痛みを感じたものとして、寄り添える気がする。
僕はまだ両親が元気だ。病気にもなってないしボケてもない。だから、周りの人が親のそのようなことを話すと「大変だなー」とは思うが、多分、他人事なのだろう。だけど、そのような経験をした瞬間に他人事ではなくなる。
逆子もまさにそう。本当によく聞く話だが「まさか自分たちが」とは思っていた。世の中で起こりうるあらゆる幸せと不幸せは誰にだって起きる可能性はあるのだ。逆子だということを言われて、そんなことを考える。
なんとか二週間で逆子直したい! 妻よ、ファイトだ!
□32週目 4月17日
32週目、9か月目に突入したこの日。健診があり先生が言いました。「逆子治ったね」
やった! やりました! 逆子になったと言われてから二週間、見事に治りました。
やりましたーーー! 妻よおめでとーーー!
そしてお腹の子に褒めてあげたい! よくぞターンしたなと!
この二週間を振り返り、何が一番効果あったのか? を考えてみる。逆子体操は基本として、お灸はかなり効いてるんじゃないかと勝手に思ってますが、一番効果があったんではないか? と思ったものが一個ある。
それはブログのコメント欄にて沢山の方がおススメしてくれた方法。「話しかけ」。旦那さんがお腹に向かって、毎日「頭はこっちだからね」と話しかけたのが良かった! と結構な人数の方が書いてくれまして。だからうちもやってみました。毎日、頭の方に向かって「頭は下だからね。頼むよ。でも無理するなよ。ゆっくりでいいからな。ゆっくり、回ってくれよ」と頭があるべき方向をトントンとたたき、話しかけ作戦です。でも、これ始めてちょっと経って横になり、二週間で見事治った。
これ、言うと笑うんですけどね、でも、話しかけ作戦した人も結構いて、その人たちと話すと、みんな話しかけ作戦はかなり効果あると思う! と言うんです。これから逆子になったという方にはぜひ、旦那さんの話しかけ作戦をおススメしたい。
なにより、話しかけ作戦をするようになってからね、僕はかなり気持ちをこめてお腹の子と話すようになったわけです。それまでは「元気かなー?」とか意外と話す言葉がかぶりまくる。だけど、逆子になってからははっきりと目的があって話しかけられるようになったわけですよ。そのおかげで、お腹の子との距離感がなんか縮まった気がします。
でも、先生は「羊水の量がちょっと多い」ということで、また逆子にならないことをお腹の中の子に願う。
とりあえず逆子が治って妻よ、おめでとう。お腹の中の子、グッジョブ!