マガジンワールド

「ブス恋♥デブの理由。」 Vol.179

鈴木おさむエッセイ ブスの瞳に恋してる♥ 第179回「デブの理由。」

 
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[ヤマザキマリの場合]
やまざき・まり/漫画家。イタリア在住。『テルマエ・ロマエ』は世界8カ国で翻訳。


とあるデブ芸人さんが言いました。「デブは空気を吸っていても太る」と。

太っている途中の人は「食べすぎちゃうんです」と言いますが、デブ歴が長い人がさらに太る時って、「最近あんまり食べてないんです」と言う人が結構いる。

デブには2タイプいます。大人になってから太る人と、子供の頃から肥満体質な人。僕は大人になってから太ったタイプですが、妻は元々肥満体質。筋金入りのおデブ体質なのです。

妻は、24時間テレビでマラソンをやる前、88キロで人生マックスに太っていた。マラソンを走るのに、70キロ近くまで絞りました。70キロまでよく落としたな~と思いますが、正直、それでも結構太っていましたよ。せっかく痩せたのですが、マラソンの後に、映画でおっさんの役をやるために、また太り、80キロ近くまで太ってしまいました。でも妊活のために食事に気をつけたり、そして息子・笑福を授かってから、想像以上に体重制限を守り、笑福を産んだ後も、再び痩せました。

ちなみに、僕は妻と結婚した時には70キロちょっとだったのですが、妻と一緒にいたらぐいぐい太り、一時期100キロを超えまして。そのあと番組でダイエットしたりして、80キロ台まで戻ったのですが、油断すると太ってしまいます。

僕が太ると、最初に気づくのは妻です。「あれ? 太ったね。気をつけなよ」と言うのです。それを言われた時に、心の中で僕は言います。「お前もな」と。

笑福は、最近、僕と妻のお腹をパンパンと叩きます。おそらく3歳手前にして、父親と母親のお腹は出ていると理解してるようです。叩くとパンパン音が鳴るから楽しいようです。

昨年、僕は結構太ったので、ちょっと痩せましたが。痩せると怖いのがリバウンド。ふとしたきっかけで食欲に火がつき、食べてしまう。結果、痩せた分だけまた太る。その中で僕はうっすら気づいていました。「あれ? 妻が結構太っているぞ」と。

そして、先日、妻が僕に告白しました。「ついに過去最高体重になってしまいました」と。

僕が「いくつになったの?」と聞くと、妻は「90キロになってしまいました」と。出ました! 夢の90キロ台。90キロを超えると、どっか吹っ切れて、大台の100キロに向かってしまう人が多いのです。妻も「やばい!」と言っていました。

僕が「なんで太ったの?」と聞くと、妻は「わからん」と一言。前と違って、一回のご飯の量もそんなに多くない。妻曰く「そんなに食べてないんだよ」と。じゃあ、なぜ太ったか? 周りにそのことを話すと、「そう言って太る人って、無意識に食べてるんだよね」と。

妻は前から間食が好きだ。しかも無意識の間食が多い。例えば、僕に「これ、おいしいから食べてみな」とお菓子を差し出す。すると、妻もついでに、とって食べる。そう、これなんです。

妻は僕にあげているから自分が食べている意識がないのだ。こうやって、食べてる意識のない間食がとても多いのだろう。チリも積もれば、とはこのこと。おそらく自然と太ってしまうおデブの方は、無意識間食が多いのだと思う。

僕がこの妻の最高体重をブログに書いたら、「大島リバウンド」とネットニュースに結構出てしまった。その日、妻がお隣さんの家に行き、スマホを開くと、そのニュースが目に入ってきた。ブログのコメントには「大島さん、お子さんのことを考えて健康にならなきゃいけませんよ」と厳しい意見も多かった。妻はそのニュースを見て、落ち込んでいたそうです。すると、そこにお隣さんの奥様、なにも知らずにおいしそうなケーキを出したらしい。

目の前のおいしそうなケーキと、ネットの厳しい意見。妻は涙目になりながら「ちくしょー」と叫ぶと、笑福が妻のあたまをナデナデして励ましたそうです。

励まされた妻は勢いよくケーキを口に入れたと。食べたのかよーー!って話なんですけどね。

だけどね、本当にね、太っていいやとは思ってないんですよ。日々、子供と向き合いながら仕事していてね、たまったストレスを、ちょっとした間食が紛らわしてくれていたんでしょうね。そういうお母さんも多いんじゃないでしょうか?

数日後、朝起きると、妻の着ていたトレーナーに、漢字二文字が書かれていました。いいトレーナーだと思って買ったらしいのです。そこに書かれていた文字は。「健康」笑ってしまいました。そんなアピールの仕方ある? あまり健康じゃない人が「健康」のトレーナーって。健康を願って、そのトレーナーを着たのでしょうか? 確かに。気持ちだけは伝わってきました。

健康には気をつかってほしいし、太りすぎは良くないです。膝にも良くないですし。ただ、あまり無理せずにほどよい健康的なおデブでいてほしいというのが僕の願い。


【今回の気づき】

太る人は無意識に食べている



鈴木おさむ
すずき・おさむ/放送作家。妻・大島美幸(森三中)との子育てもまる3年。長らくご愛読ありがとうございました。連載をまとめた『ママにはなれないパパ』が、絶賛発売中です!


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