「ブス恋♥ウィルスにビビる!」 Vol.157
鈴木おさむエッセイ ブスの瞳に恋してる♥ 第157回「ウィルスにビビる!」
息子、笑福、1歳10か月。これまで、RSウィルスにヘルパンギーナ、突発性発疹と、子供の定番病気に順調に次々かかっていきました。毎回40度超えの熱が出ます。最初は40度の熱で腰が抜けそうになりましたが、えらいもんで、ちょっと慣れてきた自分もいます。もちろん慣れた中での対処ができるようになったということですが。
3月下旬の連休。千葉県市原市の「ぞうの国」というところに行きました。その時の笑福の行動。写真を撮ると、首の根っこを押さえるんです。何回もやるので、「最近、こんなポーズ覚えたのかな」くらいに思っていました。
その翌日から、やたらよだれを垂らします。妻とは「奥歯が生えてきてかゆいのかな」とか言ってまして。が、その夜くらいから体が熱い。なんかおかしいと思い熱を測ると38度超え。「風邪か?」と思ったら、夜に40度。
笑福はこれまで40度超えの熱を何度も出していますが、病院の先生も驚くくらい熱が出ても元気なんです。夜寝る時はちょっと苦しそうですが、起きるとケロっとして走り回るのです。この熱、風邪だったらいいけど、「ぞうの国」で首を触ったりと、なんかおかしい。妻が病院に連れていき、インフルエンザ、RSなど検査をしたら、ひっかかったのがアデノウィルスというものでした。聞いたことはあった病気ですが、よく知らない。自分なりにネットで調べてみると、こう出てきました。
アデノウィルスは、別名、プール熱とも言われる時があり、夏に流行することが多い。なぜなら、プールで感染することが多いため。時として大流行し、まるで夏のインフルエンザみたいです。と書いてるところもある。
本来は夏にかかる人が多いと書いてある。笑福が夏にかかったRSという病気は冬にかかる人が多かった。今度は夏にかかるものを冬になる。笑福は逆を行きたい体なのか?
アデノウィルスの症状としては、のどの痛みと頑固な発熱が特徴。インフルエンザと比べると症状は軽いのですが、脱水状態が強い場合、入院が必要なこともあります。そして、今のところ、特効薬はありません。頑固な熱というのが厄介で、38~40度くらいの熱が4~5日続くことが多いとのこと。笑福は高熱でも元気とはいえ、やはり心配です。
で、笑福がアデノウィルスにかかり、とても心配なことが。これはウィルス性のため、大人にもうつる可能性があるんです。またもやネットで見てみると「大人がかかる可能性は低い」とか「大人がかかっても大事にならない」と書いてる人もいて。心配なので、このことをブログに書くと、コメント欄に続々と、子供からアデノがうつって、高熱や嘔吐などで苦しんだという体験が。それを見てとても怖くなってしまいました。
なぜなら僕は2017年4月から初めて映画の監督業に挑みます。自分の為に100人近いスタッフが動き、キャストもハマって、連日その準備をしていた時期。だから想像してしまうんです。「今、自分がアデノにかかったら」と。さすがに熱が40度以上ありながら数日間現場に立てる自信もなく。だけど、出演者のスケジュール上、僕は一日も休むことはできない。
そのことを考えると、とてつもなくかわいい笑福に触るのをビビってしまう自分がいるんです。口に中に手を突っ込み、その手で僕の顔をベロっとする。いつもだったら「やめろ~~~」とか言って爆笑なんですが、アデノウィルスにかかっている唾液が顔に塗られてしまったかと思うと、今すぐうがい、消毒しなきゃいけないと思ってしまう。
笑福を授かりめちゃくちゃ喜び、日々の成長に沢山の幸せを貰っているはずなのに、アデノウィルスがうつるかもと思った瞬間、目の前の笑福を抱きしめることと仕事を天秤にかけてしまう自分。そんな自分にとても罪悪感を覚えてしまいます。父親というか、親として失格だなと。だけど、もしアデノがうつって現場に行ったら今度はプロとして失格。そこの狭間で悩んでいることに罪悪感を覚える。
そんな僕を見て妻が言ってくれました。「笑福のことは大丈夫! 今は映画のことを考えていればいいから」と。そうだよな。そうなんだ。もしこれでアデノがうつったら、その後悔と罪悪感は余計大きくなるわけだし。だから妻の言葉を救いに、家でもマスクと手洗い・うがいを徹底的にしながら、笑福とのスキンシップ。
妻も寝る時はマスクをしながら笑福と全力で向き合っていた。そしたら数日後、妻が風邪をひきました。
妻よ、今は申し訳ない。だけど、絶対におもしろいものを作り上げる。それが今、父親として僕にできる最高のチョイスだと信じて。よ~い、アクション!!