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ブスの瞳に恋してる♥ 第121回「男の知らない、乳首痛い問題」

イラスト・ヤマザキマリ
イラスト・ヤマザキマリ


母乳とかミルクとか完全母乳とか、母乳問題で悩む母親がかなり多いということを学んだ僕の父勉。母乳についてはもう一つあるんです。それは乳首。いい母乳を出すようにするには、いいおっぱいを作らないといけない。

息子・笑福が生まれ、家にやってきてから、妻が母乳を飲ませようとするけど、なかなかうまいこと飲んでくれず。とりあえずミルクを飲ます日々。妻は一日何度か、お母さんのアシストを受けて母乳を飲ませようとチャレンジしたけど、飲んでくれず。というか乳首をくわえてくれず。乳首をくわえさせようとしても、息子の拒否の仕方がすごい。そして、乳首に母乳は滲んではいるものの、あまり出てこない様子。

と、妻の母乳の悩みを僕がブログに書くと、僕の知り合いの女性テレビプロデューサーがメールをくれました。「すでにご存知かもしれませんが、桶谷式おっぱいマッサージはすごくいいですよ」と。それを妻に伝えてはみるものの、妻はそのプロデューサーとは知り合いでもなかったので、あまり信用してない感じ。妻の顔色から想像するに、息子に母乳を拒否られている経験者として「いや、そう簡単なもんじゃねえんだよ」とでも言いたげな様子。

すると、その30分後くらいだろうか、今度は妻の知り合いのテレビプロデューサーから電話がかかってきました。そこで言われたのです。「桶谷式おっぱいマッサージ、いいよ」と。

たった30分で二回も「桶谷式おっぱいマッサージ」のことをインプットされて、さすがに無視するわけにはいかなくなりました。電話を切ると、妻は「いってみるか」と決定。

初日は、妻と息子、お母さんで行ってもらいました。「桶谷式おっぱいマッサージ」に。

さっきから何度も「おっぱいマッサージ」と書いていますが、もしも看板に「おっぱいマッサージ」とだけ書いてあったら、男性は120%二度見して通りますよね。絶対エロいことを想像する。そもそも「おっぱい」とか「乳首」なんて言葉、男性からしたら、絶対、興奮ワードなんですが、子供が出来て母乳の話を毎日してると、「おっぱい」「乳首」から連想する言葉が母乳になる。こういう小さな変化もおもしろいなと感じたりして。

で、妻はおっぱいマッサージから帰ってくると興奮気味。桶谷式おっぱいマッサージにより、たった一時間で母乳の出が変わったそうです。すごいゴッドハンド。そして、息子もトレーニングしたそうです。胸を出せば飲むわけではなく、息子も0歳ながらに飲み方を覚えないといけないと。

正直、かなり泣いていても、口を開いたら半ば強引に乳首をくわえさせることで、吸いだす。

泣いていたら、乳首を口に突っ込むことに躊躇してたけど、そうじゃないんだ。そうやって覚えさせるのだ。「教育」と言う言葉は非常にまじめな言葉に聞こえるが「教えて育てる」と考えると、母乳をあげるときから「教育」は始まってるんですよね。

その桶谷式に週に二回通い始めることにより、母乳をちょっとずつ飲むようになった息子。

最初の頃は10回中10回ミルクだったのが、10回中に母乳が一回、二回と増えてくる。

そして桶谷式のマッサージにより、出てくる母乳の量も増えてくる。不思議なもので、出るのだと自信がつくと、妻もまさしく「胸を張る」ようになる。

ただ、母乳を飲むようになると、僕は想像もしなかった問題が出てくるんですね。それは「乳首痛い問題」です。

子供に母乳を与える母親の顔って、健やかそうなイメージじゃないですか。でも、しばらくはかなり痛みを伴うものなんですね。母乳の時間になり、息子の前におっぱいを出す妻。

息子が乳首をくわえると「痛い、痛い、痛い」と声を出す。そうです。リアクションです。

リアクション芸人魂が出て、わざと言ってるのかと思ったらそうじゃない。本当に痛い。

こんなこと知りませんでした。母乳をあげるのに、こんな乳首痛いなんて。ブログでそのことを書いたら、コメントで沢山の経験談が、やはり一カ月~三カ月くらいの間がとてもとても痛い人が多いらしく、そこから慣れてくる人も多いのだが、中には膿んでしまい、それが理由で母乳を諦めた人もいるとか。それくらい厳しいんですよ。

これね、お子さんがいる旦那さんに話しても、乳首痛い問題を知らない人も多い。旦那さんに言ってないのか? というか気づいてないのか?

妻が出産前に、友達から乳首ケア用のクリームを貰って、僕はその使い方がまったくの「?」で。妻は使い方は知っていたものの、こんなにも苦しむものだったとは思わなかったはず。

ちなみに2015年は出産ラッシュ。色んな女優さんや女性タレントの方も数多く出産している。そんな方たちもみんな「乳首痛い問題」で苦しんでるかもしれないと思うと、なんか親近感が湧くのは気のせいか。

そして今夜も妻は顔をゆがめる。「痛い痛い」と。息子はそんな痛みに気づかず安堵の顔を浮かべる。


 
今回の格言
どんなに美人でも母親になると乳首痛い問題に直面するのだろう。
単行本『妊活ダイアリー From ブス恋』、大好評発売中です。ご本人の父勉休業の話題もあり、さまざまなメディアから取材も続々。既刊『ブスの瞳に恋してる』シリーズ(1~4)も合わせてお楽しみください。



鈴木おさむ
すずき・おさむ/放送作家。妻・大島美幸(森三中)の 出産までをつづった『妊活ダイアリー From ブス恋』「ブス恋シリーズ1~4」が人気。初監督作(脚本も担当)となる映画『ラブ×ドック』は2018年全国ロードショー。