「ブス恋♥うんちと思い出。」 Vol.181
鈴木おさむエッセイ ブスの瞳に恋してる♥ 第181回「うんちと思い出。」
僕も幼児の時に結構な便秘症で、家には浣腸が段ボールに入れてあり、基本それを使って排便をしていたとか。もちろん僕にはその記憶はありませんが。笑福を見ていて、普通にうんちが出ることってすごいことだなと思います。
先日、家族3人で京都に旅行に行ってまいりました。初めての京都旅行。一昨年出来た京都の鉄道博物館に行きました。
そのとんでもない規模のでかさに笑ってしまいました。本物の新幹線、鉄道、など10点以上、様々な形で展示されています。
ジオラマやシミュレーターなども規模がでかく、もう笑福は大興奮。大人の僕たちも驚きの連続。親と子、違った目線で楽しめる場所って本当に素晴らしいです。ちなみに、僕らが行った時はトーマスのスタンプラリーをやっていました。館内にある4つのポイントでスタンプを押すとステッカーが貰えます。が、館内はとてつもなく広い。スタンプポイントは1階、2階、3階、そして建物を出た別館まで。これを家族で回ったら結構な時間。笑福はジオラマに夢中。すると妻が僕にスタンプカードを渡して「行ってきてもらえます
か?」と。
46歳を迎えた僕は階段を上がり下がり、汗をかきながらスタンプを押していく。すると、僕と同じようにお父さん一人でスタンプを押している人と目を合わせて軽く会釈。なんだろう、この猛烈な共感。パパって大変だよなぁ。
そんでスタンプ3つ押して、4つ目は家族みんなで行こうということになりました。すると4つ目のスタンプはトーマスの中に出てくる新キャラクター、フランキーだったのです。
うちの妻は春に公開された『きかんしゃトーマス』の映画の中で声優をやらせていただきました。
息子がめちゃくちゃトーマスが好きで、それを色んな所で言ってたらお声がかかったのです。笑福も映画を見に行き、フランキーが登場すると「ママの声だー」とわかるらしい。
こんなにありがたいことはないですよね。そんで、4つ目のスタンプがなんとフランキーだったのです。スタンプポイントに行くと、笑福は「ママが声をやってるやつだー」とテンションが上がり喜ぶ。その姿を見て、お父さん、かなり汗かいてしんどかったけど、スタンプ集めて良かったよと思う。
その鉄道博物館の階段の入り口で、笑福と同じ年くらいの子供がじっと止まっていました。同じポーズで。近くを通ると、うんちの匂い。そうです。うんちをしていたのですね。それを見て妻は「羨ましいな~」と。笑福はこの時点で6日間、うんちをしていませんでした。もうお腹がパンパンです。早く出てほしいと強く願う。
そして夜は、京都の天ぷら屋さんへ。自分で探して、旅館風の天ぷら屋さんを予約しておきました。古い建物の中にある天ぷら屋さん。普段は旅館もやっているので、食べる部屋は個室になっています。
僕と妻は天ぷらを食べて、少しずつ笑福にシェアしてあげる。仲居さんがついてくれるのですが、この方、とてもやさしい方。子供にもとても慣れている。
とても雰囲気のいい天ぷら屋さん。仲居さんがいなくなった時、笑福がほりごたつの中に入って止まったのです。「もしかして?」と妻が言いました。すると、うんちの匂いが天ぷらを食べている僕の鼻に届く。そうです。おむつの中にうんちをし始めたのです。僕と妻は声を合わせました、「やったーーーー!」と。不思議なものです。おいしい天ぷらを食べてる時にうんちの匂いがしたら嫌なもんですが、それ以上に、笑福が6日ぶりにうんちをした喜びが勝ちます。笑福が頑張ってうんちをするのを見届けながら、僕も妻も天ぷらを食べる。すごいね。すごい。親になるってすごい。子供がうんちする姿を応援しながら天ぷらを食べれるんだから。これが会社の上司に同じことされたらぶん殴りますけどね。
笑福はうんちが結構長い。この時点で仲居さんには見つかってない。雰囲気のいい部屋が笑福のうんちの匂いで充満しないように窓を開けてみる。換気です。なんとか仲居さんが来る前にうんちを終了してほしい。そう願ったのですが。襖が開く音がして、仲居さんが入ってきてしまった。そこで妻は白状する。「すいません、息子がうんちをしていまして」と。
すると仲居さん、心からの笑顔で「あら、良かったじゃない~」と。なんだかその笑顔にとても救われました。「ずっと便秘だったんです」と伝えると「めでたいじゃないですか~。あれ? 私の顔見たらもよおしました? ハハハハハ」と笑う。なんて素敵な仲居さんだ。無事、笑福はうんち終了。そのあとおいしく一緒に天ぷらをいただきました。
旅先のうんち。こういう素敵な店員さんのおかげで、うんちもいい思い出になりました。ありがとー。