FOOD NEWS vol. 07 平野紗季子のMY STANDARD GOURMET 『コチンニヴァース』のマトンビリヤニ。
![FOOD NEWS](https://img.magazineworld.jp/2015/05/food_news_ttl.png)
- RESTAURANT _ 犬養裕美子
- GIFT _ 真野知子
- SWEETS _ chico
- NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol. 07
平野紗季子のMY STANDARD GOURMET
『コチンニヴァース』のマトンビリヤニ
![左・「マトンビリヤニ」(¥1,550)。ほかにも魚やチキンなどのバリエーションが。右・「ラッシー」(¥400)](https://img.magazineworld.jp/2014/05/1906_anan_food.jpg)
ビリヤニという食べ物を知っていますか。インド風の炊き込みご飯、といって紹介されたりするけれど、それは昔、ピザのことを西洋のお好み焼きと言った時くらいに、近いようで遠い喩えなんじゃないかな。
南インド料理『コチンニヴァース』のマトンビリヤニ。パラッパラのバスマティライスにのせてマトンや野菜が噛み締められるとき、口の中がインドの宮殿大になって旨味とスパイスが、がーんと壮大に響く。なんだこれはの衝撃。辛味は旨味を残してじんと口に残るから、次の一口が止まらない。ビリヤニのムラはわざとで、味に変化が出るから飽きがこない。一心不乱に食べあげて終わりにぐいっとラッシーを飲み干すのも気持ちがいいし、店を出てからもずっと心地がいい。動物性油脂を使ってないのが胃に優しい秘密みたい。だって全然脂っぽくない。
店は元々うなぎ屋さんだった、というのが腑に落ちるシンプルな定食屋の身なりをしている。厨房からインド人シェフのラメッシュさんの鼻歌が聞こえてくるまでは、インド料理のお店だと思わないかもしれない。異国情緒のエスニックではなく、地に足のついた食堂として胃袋に寄り添うインド料理屋さん。感動も衝撃も超えて、なにより愛着という言葉でずっとつきあっていきたいお店だと思う。
南インド料理『コチンニヴァース』のマトンビリヤニ。パラッパラのバスマティライスにのせてマトンや野菜が噛み締められるとき、口の中がインドの宮殿大になって旨味とスパイスが、がーんと壮大に響く。なんだこれはの衝撃。辛味は旨味を残してじんと口に残るから、次の一口が止まらない。ビリヤニのムラはわざとで、味に変化が出るから飽きがこない。一心不乱に食べあげて終わりにぐいっとラッシーを飲み干すのも気持ちがいいし、店を出てからもずっと心地がいい。動物性油脂を使ってないのが胃に優しい秘密みたい。だって全然脂っぽくない。
店は元々うなぎ屋さんだった、というのが腑に落ちるシンプルな定食屋の身なりをしている。厨房からインド人シェフのラメッシュさんの鼻歌が聞こえてくるまでは、インド料理のお店だと思わないかもしれない。異国情緒のエスニックではなく、地に足のついた食堂として胃袋に寄り添うインド料理屋さん。感動も衝撃も超えて、なにより愛着という言葉でずっとつきあっていきたいお店だと思う。
ひらの・さきこ/1991年生まれ。食ブロガー。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。
![コチンニヴァース](https://img.magazineworld.jp/2014/05/1906_anan_food_shop.jpg)
東京都新宿区西新宿5-9-17
☎03・5388・4150
11:30~14:30(14:00LO)、17:30~21:30(20:45LO) 火曜休
平日はお得なランチも。
写真・清水奈緒 文・平野紗季子