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FOOD NEWS vol.84 犬養裕美子の今日、どこで何、食べる? 『maturité(マチュリテ)』の蝦夷鹿のロースト〜クリスマスディナーより

FOOD NEWS
  • RESTAURANT _ 犬養裕美子
  • GIFT _ 真野知子
  • SWEETS _ chico
  • NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol.84
犬養裕美子の今日、どこで何、食べる?
『maturité(マチュリテ)』の蝦夷鹿のロースト〜クリスマスディナーより
蝦夷鹿のローストに赤ワインソース、レーズンとグリーンペッパームース、付け合わせは焼き姫リンゴと白菜のクリーム煮を詰めたきのこ型のジャガイモ。クリスマスディナー¥5,500(12/21~1/20)のメイン。
蝦夷鹿のローストに赤ワインソース、レーズンとグリーンペッパームース、付け合わせは焼き姫リンゴと白菜のクリーム煮を詰めたきのこ型のジャガイモ。クリスマスディナー¥5,500(12/21~1/20)のメイン。
 

クリスマス、どうする? 新しいドレスとレストランのディナーの両方は予算的に厳しい…。仕方なく友達の家に集まる? 今年はもう、そんなごまかしはやめようよ。ビストロじゃなくて、レストラン。素敵な空間でしゃんと背筋を伸ばして、きちんと食べる。そう、今年7月にオープンした茅場町『マチュリテ』なら、前菜3皿、魚、肉のディナーコース(¥5,500)が、クリスマスもお値段変わらず。メインは蝦夷鹿のローストというジビエ料理。脂がない赤身の肉は、完璧な火の入れ方だからしっとりと柔らかい。何よりソースの美味しさには目を見張る。それもそのはず。小橋潔シェフはフレンチ一筋、ホテルの料理長を20年以上務めてきたベテラン。「ホテルで培った正統派のフレンチをもっと若い世代に広めたい」というオーナーシェフの和田倫行シェフのオファーに賛同して、この店で腕を振るう。月に1度替わるメニューは、二人で何度も試作する。この赤ワインソースも、蝦夷鹿には胡椒を効かせるのが伝統的。また、鹿が好む果物や木の実などを添えるのも基本。姫リンゴはアツアツで酸味がしっかりあり、蝦夷鹿をすっきり引き締める。白菜のクリーム煮の付け合わせは小橋シェフのアイデア。以前に賞を獲った一品だ。二人のシェフが経験と工夫を凝らして盛り込んだ皿は、蝦夷鹿未体験なら、ぜひ味わいたい王道と、新趣向の結晶なり!

いぬかい・ゆみこ レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。
 
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東京都中央区八丁堀1-4-5 ☎03・6280・3784 17:30~24:00LO(コース22:15LO)、土・祝日17:00~23:00LO(コース21:45LO) 日曜休 22:00以降はアラカルトで注文可。www.maturite.tokyo


写真・清水奈緒 取材、文・犬養裕美子