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FOOD NEWS vol.100 犬養裕美子の今日、どこで何、食べる? 『CRAFTALE(クラフタル)』の季節の冷たい前菜

FOOD NEWS
  • RESTAURANT _ 犬養裕美子
  • GIFT _ 真野知子
  • SWEETS _ chico
  • NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol.100
犬養裕美子の今日、どこで何、食べる?
『CRAFTALE(クラフタル)』の季節の冷たい前菜
昼夜¥7,000のコースより。「梅雨」をイメージした冷たい前菜。前菜2品、魚、肉の4皿に4種類のパンが出てくる(コースにはほかにアミューズ2品、デザート、飲みものがつく)。
昼夜¥7,000のコースより。「梅雨」をイメージした冷たい前菜。前菜2品、魚、肉の4皿に4種類のパンが出てくる(コースにはほかにアミューズ2品、デザート、飲みものがつく)。
 
北欧風のシンプルなインテリアに自然派の料理。中目黒『クラフタル』は私的に今、もっとも気になる店だ。だって、この料理! 

池の上にピンクの花が優し気に咲いている。その上には、カタツムリに見たてた姫サザエとキュウリ。32歳の若きシェフ、大土橋真也さんの表現力は、印象的なだけでなく、味を込める基本も忘れない。「紫カリフラワーを薄くスライスすると花のように見えるんです」。グリーンの花はブロッコリーをスライスしたもの。生なので、食感も味もまた新鮮。姫サザエは白ワインとセロリ、日本酒で優しく火を入れ、貝の香りとほんのり甘味を感じるように仕上げる。大土橋シェフはフレンチのテクニックをベースにして、イノベーティブ(革新的)な料理に挑戦中。そのひとつがパンも料理に合わせて味や食べ方を変えていること。冬は蝦夷鹿の煮込みにピロシキ風のパン、鴨のローストにそば粉のブリニ(パンケーキ)を添えたり。料理とパンを合わせるパンペアリングとは珍しい! ちなみにこの姫サザエには甘いデニッシュ生地にグリーンオリーブの青味のある味を足したもの。チェーンの上にのせて出すプレゼンテーションもおしゃれ。次はどんなペアリングが登場するか、それが楽しみ!

いぬかい・ゆみこ レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。
 
CRAFTALECRAFTALE
東京都目黒区青葉台1-16-11-2F  ☎ 03・6277・5813 11:30~14:00(13:00LO)、17:00~翌1:00(24:00LO) 水曜休 http://tables.jp.net/craftale/


写真・清水奈緒 取材、文・犬養裕美子