マガジンワールド

FOOD NEWS vol.66 chicoのお菓子な宝物。『アンダーズ 東京』のスイートジャー

FOOD NEWS
  • RESTAURANT _ 犬養裕美子
  • GIFT _ 真野知子
  • SWEETS _ chico
  • NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol.66
chicoのお菓子な宝物
『アンダーズ 東京』のスイートジャー
左から、ローズジュレ、エキゾチックゼリー、プリン、ティラミス、シャンパンピーチジュレ、メロンココナッツゼリー各¥750 「モンブランジャーもいいですね」と、秋にはまた新作が登場予定。
左から、ローズジュレ、エキゾチックゼリー、プリン、ティラミス、シャンパンピーチジュレ、メロンココナッツゼリー各¥750 「モンブランジャーもいいですね」と、秋にはまた新作が登場予定。
 
メイソンジャーブームに始まり、じわじわきていたジャースイーツの波が『アンダーズ 東京』に。エクレアにつぐ新シグネチャースイーツとして、ずらりと6種、ショーケースに煌めいている。「これなら万一の時にもいいでしょう?」と岡崎正輝ペストリーシェフ。ヴェリーヌにありがちな、持ち運び中にこぼれて箱がベタベタ……そんな悲劇が起きないように。ジャーはホスピタリティの形でもあったのか。「シャンパンピーチジュレ」の蓋を開けると、桃の柔らかな香りと芳醇なシャンパンのあの香りが、パッと湧き立つ。口にするとシュワリ、ゼリーになっても泡までシャンパンそのもの。「ゼリーが固まる直前に注いで、シャンパンを沸かさないようにするんです」。その心遣いとジャーの蓋が、シャンパンの香りも泡もとじこめているのだ。しかも、じゅるりととろける日本の白桃に、フランスの赤桃の酸味と歯触りが加わって、ジューシーな桃のうまみが溢れんばかり!

上から食べ進むにつれ、味が変化するのもこのジャーの楽しみ。「ローズジュレ」なら、華やかな香りの次に小さなスイカ球がしゃりりと夏の瑞々しさを運んでくる。フランボワーズコンフィチュールが残す濃密な後味は夏の残像のよう。ひと瓶に季節まで詰まっているみたいだ。

チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
 
アンダーズ 東京
ペストリーショップ

東京都港区虎ノ門1- 2 3 – 4 虎ノ門ヒルズ アンダーズ東京1F ☎03・6830・7765 8:00~20:00 無休


写真・清水奈緒 スタイリスト・中根美和子 文・chico