FOOD NEWS vol.88 犬養裕美子の今日、どこで何、食べる? 『琥珀』の揚げ蒸しパンと紅米を使った本格トンポーローと黒酢の酢豚
![FOOD NEWS](https://img.magazineworld.jp/2015/05/food_news_ttl.png)
- RESTAURANT _ 犬養裕美子
- GIFT _ 真野知子
- SWEETS _ chico
- NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol.88
犬養裕美子の今日、どこで何、食べる?
『琥珀』の揚げ蒸しパンと紅米を使った本格トンポーローと黒酢の酢豚
![揚げ蒸しパン1本¥540(ハーフ¥320)、トンポーロー(Mサイズ)¥780、黒酢の酢豚(Mサイズ)¥880。揚げ蒸しパンは数に限りあり。席の予約とともに、揚げ蒸しパンも予約を。料理は一人でも食べ切れるSサイズも用意。値段はすべて税込み。](https://img.magazineworld.jp/2016/01/an1987-food-700x490.jpg)
初めて食べた時の衝撃といったら…。甘くて、軽くて、サクッとして、ホワッとして。しかも、こんがりと色づいた表面とは裏腹に、中身は真っ白、きめ細かくもっちり。ひも状の生地が興味深い。自慢じゃないけど1万5000軒を超える店を取材した私が今まで食べたことのないパンが、高田馬場『琥珀』にあったのだ。
中国料理でパンといえば、白い蒸しパン「花巻」がおなじみ。ところが蒸した後、揚げるという、ひと手間かけてまったく別のおいしさに導く。「これは以前に勤めていたホテルで、香港から来ていた点心師に教えてもらったんです」と『琥珀』のオーナーシェフ・斉藤和彦さん。横浜のホテルに8年務めた後、2014年9月高田馬場で独立。私は昨年4月に高田馬場に越して、毎晩のように食べ歩いたが残念ながら、この街ではおいしい料理には出合えないとあきらめかけたところ、こんな切り札を持った店に出合った。神様、ありがとう!
「イーストを使うんですが、細長いロール状の生地を縄のようにまとめて、外側を巻いて、白絞油(しらしめゆ)で揚げます。中に空気が入っているからふっくら膨らむんです」。肉料理のソースをすくうのがおいしい食べ方と教えてもらったが、まずはこれだけで食べてみて。それから肉料理をごゆるりと召し上がれ!
いぬかい・ゆみこ レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。
写真・清水奈緒 取材、文・犬養裕美子