それでも断然犬派だった。ギンザは222号で猫特集、世の中も猫ブームのようだけれど、犬のほうがかわいいじゃないか。まあ猫好きのほうが（イメージ的に）オシャレだし頭よさそうけど、犬の素直さが好きだよわたしは。そんな自分が猫のかわいさを理解し、撮れるのだろうか？不安だった。
撮影現場にやってきた猫は、セルカークレックスのトムといった。まずルックスが私の既成猫概念をいきなり打ち破った。モコモコの羊みたいにカールした毛並み。なんだかちょっと犬みたいなんです。いやいや、見た目に騙されぬぞ、どういう性格なのか？さっそくその場で検索してみたら『愛情深く、人なつこい』とある。さらには『我慢強いので病気に気付きにくいから注意』とも。え？猫って気まぐれで素っ気なくて振り回すんじゃないの？これから撮影現場を文字通り引っ掻き回すんでしょ？そう思ってトム君を観察してると、まったくそんな気配なし。おだやかにしてる。たまにスタスタ歩く姿は優雅でキュート。おいおい、今のところ犬の良さ全部持ってる上にスマートじゃないのよ。うちの隣家のレンくん（北海道犬、４歳、オス）に匹敵するかわいさじゃないか。犬派なのは変わらないけど、トムは大好きになった。そしてトムの後ろ姿をかわいく撮れたら表紙になった。

(K)