存在感たっぷりで主張するパンの名店が広々空間に!たま木亭
〔Hanako/WEST/News/Gourmet/京都・宇治〕
京都郊外に構えた店を目指して、足を運ぶファンは全国規模。5人も入ればもうぎっしりの小さな名店が徒歩2分の距離に移転、ゆったりした空間へと生まれ変わった。
「ドンク」で修業を重ね、2001年に独立した店主の玉木潤さんが作るのは、奇をてらうことのないパン。惣菜系からおやつ系、ハード系まで幅広いラインナップの、どこに惹きつけられるのかはパンを手に取り、口にほおばった瞬間にわかる。しっとり滑らか、もちっとコシがある、サクサクと軽やか、粉の味が広がる。それぞれの食感や風味が力強く主張して、パンを食べる喜びを感じさせてくれるもの。加えて惜しみなく入ったフィリングも豪快。パンとパンを食べる人への愛情は、あふれんばかりに注がれている。
店は新しくなっても姿勢は変わらず。キッチンも売り場も3倍以上となって、じっくりパンを選ぶことができるようになった。とはいえ広い店舗でも満員になることもしばしば。人気ぶりは圧巻だ。
[カジュアル度]
これまでもチラッと見えていた工房もフルオープンに。玉木さんをはじめ、きびきびとパンを作り続けるスタッフの姿も見ていて気持ちいい。
[自腹度]
200円台前半が中心で、高すぎない値段設定も魅力。多い日は170本焼くこともあるという角食は1斤367円。バゲット1本291円。(各税込)
[誰と行く?]
パンの品ぞろえは幅広く、万人に好まれるもの。京都駅からは約30分、街中からは小1時間の距離も、誰と行っても満足すること間違いなし。
京都府宇治市五ケ庄平野57-14 ☎0774・38・1801 7:00〜19:00(売り切れ次第終了) 月火休/予約取り置きも可。最寄り駅はJR黄檗駅もしくは京阪宇治線黄檗駅、徒歩10分。
大和まこ/京都在住のライター&コーディネーター。女性誌を中心に、京都を幅広く紹介する。
photo: Kunihiro Fukumori text: Mako Yamato
Hanako1096号「Club Hanako」掲載