FOOD NEWS vol.63 平野紗季子のMY STANDARD GOURMET 『O’ t acos(オータコス)』のタコスプレート
- RESTAURANT _ 犬養裕美子
- GIFT _ 真野知子
- SWEETS _ chico
- NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol.63
平野紗季子のMY STANDARD GOURMET
『O’t acos(オータコス)』のタコスプレート
『TACO BELL(タコベル)』が渋谷に、『Guzman y Gomez(グズマン イー ゴメズ)』が原宿に! …と相次いでメキシカンファストフード店がオープンし、なにやらタコス熱高まる2015年夏の東京。特に注目なのが新橋3丁目の酒場地帯に誕生したタコスバル『O’tacos』。アメリカ経由のTEX-MEXタコス(小麦のトルティーヤでトマトや挽き肉をパキッとサンドしたあれです)ではなく、メキシコ直行便の本場味を追求するのがオータコス流! 「まずトルティーヤは、とうもろこし粉から! 小麦粉は使いません。メキシカンコーンを現地から輸入して、店内で一枚一枚焼いていきます。具材もかなりこだわって、1番人気のパストール(ケバブ風に焼き上げた豚肉)は専用のパストールマシンまで導入してしまいました」と、オーナーのカルロスさん(日本人!)。なるほど確かにコーンの香ばしさ、カリッとジューシーな豚肉、更には自家製サルサソースとライムの爽やかさがキラキラ輝くものだから、これは全く新しいタコス体験、最高にテンションのアガる食べ応えなんです。現地のタコス屋台を思わせるカウンター席でタコスの刺激をメキシカンビールでゴクッと流せば、ラテンの陽気な魂が乗りうつる思い! 暑ければ暑いほど気分が盛り上がるのだから不思議、オータコスの夏の夜は毎日がお祭り騒ぎです。
ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。
写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子