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FOOD NEWS vol.70 chicoのお菓子な宝物。『アヴランシュ・ゲネー』のファヴール

FOOD NEWS
  • RESTAURANT _ 犬養裕美子
  • GIFT _ 真野知子
  • SWEETS _ chico
  • NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol.70
chicoのお菓子な宝物
『アヴランシュ・ゲネー』のファヴール
ファヴール¥470 儚く消える口どけとはうらはらに、オレンジ、メープル、そばと広がる味わいはしっかり濃密。
ファヴール¥470 儚く消える口どけとはうらはらに、オレンジ、メープル、そばと広がる味わいはしっかり濃密。
 
食欲の秋の始まりに朗報! アグネスホテル東京『ル・コワンヴェール』元シェフパティシエの上霜考二さんがついに独立、『アヴランシュ・ゲネー』をオープンします。なにやら覚えにくい店名は彼の最初の修業先に由来。フランスはノルマンディーの町、アヴランシュにあるゲネーさんの店で、特産のそば粉でガレット焼いたり農家巡ったり、技術だけでなく食の本当の楽しさを教わったんだそう。「僕のお菓子作りの原点なんです」と上霜シェフ。これからより手をかけてお菓子の楽しみを発信したい、店名からそんな心意気がひしひし。だからいいんです、覚えにくくたって。

これまで数々の巨匠のもとで腕を磨いた彼が一番影響を受けたというのが、『オテル・ドゥ・ミクニ』時代の寺井則彦シェフ(現『エーグルドゥース』)。この新作も「寺井さんのメープルのお菓子がずっと忘れられなくて」、数年がかりで作り上げたもの。卵黄クリームベースのメープルムースはエアリーで、隠し味の黒蜜効果でメープルの味の輪郭くっきり。オレンジが華やかさを醸し、そば茶クリームとカリカリのそば茶シュトロイゼルがさりげなくノルマンディーな薫りを添えていく。師匠とはまた趣の違う、上霜シェフならではのメープル菓子がここに完成!

チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
 
アヴランシュ・ゲネー

東京都文京区本郷4 -17 – 6 ☎03・6883・6619 10:00~19:00 不定休※9/5オープン予定。


写真・清水奈緒 スタイリスト・中根美和子 文・chico