マガジンワールド

FOOD NEWS vol.122 chicoのお菓子な宝物。『LA CADEUR(ラ カンドゥール)』のフランス菓子

FOOD NEWS
  • RESTAURANT _ 犬養裕美子
  • GIFT _ 真野知子
  • SWEETS _ chico
  • NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol.122
chicoのお菓子な宝物
『LA CADEUR(ラ カンドゥール)』のフランス菓子
ヘーゼルナッツとショコラのお菓子、マルジョレーヌ¥480(右)には、オレンジの香りもまとわせ華やかに。ノスタルジー溢れるスワン¥320(中)も並ぶ。ヴェリーヌサヴァラン¥450(左)はスポイトのラム酒を好きなだけ注入して。
ヘーゼルナッツとショコラのお菓子、マルジョレーヌ¥480(右)には、オレンジの香りもまとわせ華やかに。ノスタルジー溢れるスワン¥320(中)も並ぶ。ヴェリーヌサヴァラン¥450(左)はスポイトのラム酒を好きなだけ注入して。
 
ショーケースを覗いたらたちまち、茶色い世界に引き込まれてしまった。キャラメルやショコラにナッツ、それに生地が織りなす美しいトーン。華やか軽やかなムース系も素敵だけど、こういうクラシカルなフランス菓子の凜とした佇まいには、どうしようもなくそそられる。『ラ カンドゥール』を開いた安藤康範シェフはフランスで4年腕を磨いた後、『レストラン ロオジエ』のパティシエとして、ジャック・ボリーさん(日本における仏料理の第一人者、今はデザートサロンも監修)と一緒に、オペラやパリブレスト、クレームキャラメルなどを手がけていた人。「クラシックなお菓子は本当に丁寧に作るとなんておいしいのかと、思い知りました。とりわけレストランのできたては全然違って」。今もそのエスプリを胸に、焼き菓子は少しずつ作るし、プラリネもこまめに挽く。挽きたてプラリネをふんだんに入れたマルジョレーヌなんて、ナッツのアロマがブワッとわきたち、たまらなく香ばしい! それに、サヴァランならゼリー仕立ての柑橘を潜ませてすっきりジューシーにしてみせたり、食べやすさへの心遣いが随所にあり、純然たるフランス菓子ながら慣れない人にもきっと素直においしい。クラシックの幸せに目覚める人、ここからもっと増えるかも。
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
 
LA CANDEUR
東京都調布市仙川町1-3-32 ☎03・5969・9555 10:30~ 19:30(日曜~ 18:30) 火曜休 京王線仙川駅から徒歩5分。


写真・清水奈緒 スタイリスト・中根美和子 文・chico