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FOOD NEWS vol.130 chicoのお菓子な宝物。『EN VEDETTE(アン ヴデット)』のRIN

FOOD NEWS
  • RESTAURANT _ 犬養裕美子
  • GIFT _ 真野知子
  • SWEETS _ chico
  • NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol.130
chicoのお菓子な宝物
『EN VEDETTE(アン ヴデット)』のRIN
波打つようなフォルムもそそるRIN¥450。ホワイトチョコベースの抹茶ムースのセンターに、柚子クレームと柚子ガナッシュ。各パーツの味がしっかり主張しながら、すべてを口にした時の調和が見事!
波打つようなフォルムもそそるRIN¥450。ホワイトチョコベースの抹茶ムースのセンターに、柚子クレームと柚子ガナッシュ。各パーツの味がしっかり主張しながら、すべてを口にした時の調和が見事!
 
扉を開けるとシンプルモダンな白い世界。そして畳テーブル(素敵!)と美濃和紙から漏れる柔らかな灯りに迎えられる。『アン ヴデット』には、クールと和のほっこりが難なく同居していた。「パリで修業するうち、フランス人は昔ながらの自国の文化を尊重しているとつくづく感じました。それって日本人が忘れがちなこと。フランス菓子をそのまま伝えるのも大切だけど、僕は日本人ならではのフランス菓子をやりたい」と、森大祐シェフ。確かに、むしろフランス人パティシエのほうが、いち早く日本古来の素材の可能性に気づいて、こぞってお菓子に取り入れていたくらい。新作の「RIN」は柚子に抹茶と、まさにパリのパティシエが夢中な2大和素材をあえて使うけど、ニッポンを見つめ直す森シェフの和素材使いはずっと繊細で粋。柚子は口どけの時間差に合わせてガナッシュとクレームの2か所に潜ませてある。つまり、口にするとまず柚子クレームの鮮烈な香りと酸味がパッ→それを抹茶ホワイトチョコムースがまったりした甘味と香りでカバー→柚子ガナッシュが甘ったるさを切って爽やかな後味でシメ、と味わいがドラマティックに次々折り重なっていく仕掛け。日本人パティシエの心意気に思いを馳せつつ、おいしい筋書きに身を委ねたい。
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
 
EN VEDETTE
東京都江東区三好2-1-3 ☎03・5809・9402 10:00~19:30(日曜~19:00) 水曜休


写真・清水奈緒 スタイリスト・中根美和子 文・chico