出来ていて当たり前のことだけど。 From Editors 2 No. 872
From Editors 2
出来ていて当たり前のことだけど。
どんなにスリーピースのスーツが似合っていたって、清潔感のある髪型をしていたって、電車の中で大股広げてドカっと座って、辺り構わず大声で電話しているようじゃあ、まったく大人じゃない。中身が伴って初めて大人になれるのだと思います。欧米に行くと「真似したいなぁ」と思うジェントルマンなシチュエーションに出くわすことが結構あって、絶対に次の人のためにドアを抑えてくれるし、目があったらニコッと笑ってくれるし、お店に入れば「ハゼゴーンメーン?(How’s it going man?)」と声をかけてくれて、軽く雑談が始まる。そのちょっとしたことが嬉しいし、すごく紳士的だと思うんです。日本もこれくらいさりげなく、人に優しく、世間話もできるようになればいいのに! という思いも込めて、大人としての心得と作法についてまとめた「BEHAVIOR」企画をつくりました。
冒頭では、<ブルックス ブラザーズ>で見つけたジェントルマンブック「50 THINGS EVERY YOUNG GENTLEMAN SHOULD KNOW」を参考書に大人の振る舞いを紹介しています。小中学生向けのテキストなので、かなり初歩的な内容ですが(笑)、いつかジェントルマンになる若者が知っておかなくてはいけない、謝り方、握手の仕方、映画館での振る舞い方、ジッパーが開いたままの人に会ったときなどなど、50のことが書かれていて、本特集ではその中から「居心地を悪くさせるロゴのキャップは被らない」、「ありがとうをもったいぶらない」など日本においても変わらず大切なテーマを抜粋しています。詳しくは本誌を確認していただくとして、こうした「基本のき」を再確認すれば素敵な大人に一歩近づけるのではないでしょうか。もちろん、僕も鋭意実践中。まずは、エレベーターの開ボタンを押す係になるところから!