マガジンワールド

夏は何にもしないに限ります。そのために何を着るか。  From Editors 1 No. 891

From Editors 1

夏は何にもしないに限ります。そのために何を着るか。 

今年の夏は、とうとう何もしたくなくなってしまいました。ハーモニー・コリン先生の傑作脱力映画『ビーチ・バム まじめに不真面目』を観たというのもありますし、どうせとっても暑いですから。夏休みに海外旅行に行ける見込みもまだないですし。だからといって、本当にクーラーの効いた部屋でだらだら過ごしていても楽しくないので、なるべく賢く過ごす方法はないものかと、緊急事態宣言下のゴールデンウィークのあたりから考えていたのでした。なるべく涼しい素材の半袖シャツを着て、リネンのショーツなんかをはいて。よく考えてみると、アロハシャツやシアサッカー、麦わら帽といった夏のクラシック・アイテムというのは、夏の暑さをやり過ごすのに適したものであることに気がつきます。古くから避暑という考え方もあります。うまく過ごせば、暑さを辛く感じないで夏を涼しく楽しむことができるのではないか? それが今回の、夏のファッションと過ごし方を提案するサマークラシック特集の出発点となりました。避暑地といえば、軽井沢がすぐ思いついたのですが、日光には前々から行ってみたいと思っていた『日光金谷ホテル』があります。高所のため、東京よりもだいたい5℃涼しいのです。本当の避暑地。「GO TO CLASSIC RESORT 避暑のすすめ」という企画では、涼しい日光で、ちょっと散歩して、あとはクラシックホテルで何もしないで過ごすという提案をしています。何が面白いのと思うかもしれませんが、誌面を見てみてください。きっと何もしないことの贅沢さを理解していただけると思います。特集本編では、たくさんの夏のファッション提案をしていますが、全て、夏の過ごし方とセットで提案しています。例えばナイター。プロ野球ができた頃から、日本人はアベックでナイターを楽しんできました。スタンドは夜風が気持ちいいんです。だから、夏のふたりはお洒落をして、横浜スタジアムにナイターを観に行こうという提案です。また今回の特集の題字は、アイルランドのアーティスト、ナイジェル・ピーク氏に描いていただいたものです。昨年秋のファッション特集で取材したときに聞いたのですが、彼のサマークラシックは、古いキャップ。暑いときだけ、キャップをかぶる。それくらい気負わない夏の装いをたくさんしたつもりです。極力頑張らないで、ゆっくり過ごすために、気持ちのいい、そして楽しい服を着て、夏の計画を立ててみてはいかがでしょうか。

矢野一斗(本誌担当編集)
 
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撮影でハマスタへ。ブルーが爽やかで、気持ちいい風が吹き抜けます。これから暗くなってくるとムードも出てきて、試合も盛り上がっていきます。
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日光金谷ホテルのある1室。部屋ごとにデザインが異なるのですが、ふすまのデザインなど細部がとにかくクラシックで格好いい。予約するなら今です。


ポパイ No. 891

SUMMER CLASSICS 僕らの夏の定番。

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