400戦無敗の男と、“LOOKING GOOD”の由来について。 From Editors 1 No. 876
From Editors 1
400戦無敗の男と、“LOOKING GOOD”の由来について。
まずはじめに、今回の特集タイトルがなぜ「LOOKING GOOD.」だったか。それは、いつ開いても学びの多いスタイルの教科書『男の着こなし』の著者で知られるチャールズ・ヒックスが、『LOOKING GOOD』という本を出版していたことに由来します。実はこの本、若き日のブルース・ウェバーが写真を撮ったグルーミングについての指南書なのです。その話を代官山の理容室『バーバーボーイズ』の島田裕生さんにもしてみたところ、「そういえば、ブルース・ウェバーの写真集は、髪型がカッコいいんですよ」と教えてくれる。それで後日、いくつかの写真集を見せてもらいました。その中に400戦無敗の男、ヒクソン・グレイシーもいました。私は2000年の舩木誠勝戦をリアルタイムで観た世代ではないのですが、その後、グレイシー一族を倒しまくった桜庭和志が「僕と勝負してください!」とマイクアピールした最強の相手として記憶しているくらいの存在。決して髪型にこだわったりするような人ではないはずです。そんな男の、髪型が、よく見ると、格好いい? 島田さん、ただの短髪に見えます。僕には。「かなりフツーの短髪なんですが、こういう髪型が僕にとってのルッキングッドな髪型なんです。ニューヨークのウォール街でも、20年後の東京でも通用する、そんなインターナショナルな髪型が」。この言葉を聞いて、はじめて今回の特集のスタート地点に立てた気がしたのでした。そんなことから、今号はルッキングッドな髪型と服について考える特集になりました。“LOOKING GOOD”という言葉を直訳してしまうと、格好いいとか、様子がいいとか、いかにも大らかな言葉なのですが、今回のポパイでは、そこに清潔感があることだったり、相手を不快にさせない外見であることだったりを加味してまとめることにしました。春に着たいと思うルッキングッドな洋服と、10年後に自分を見返しても恥ずかしいと思わないルッキングッドな髪型を、ポパイを手にするみなさんに見つけて欲しいという気持ちで作りました。