恋愛映画を観たら恋がしたくなる…わけでもない!? From Editors No.2183
From Editors
編集部リレー日誌
恋愛映画を観たら恋がしたくなる…わけでもない!?
ラブストーリーはもちろん、どんなジャンルの映画を観る時も、登場人物たちのドキドキする恋愛模様は作品を鑑賞する醍醐味のひとつ。観終わった後に「ああ! こういう恋がしたい!」と思わされることもしばしば。そんなふうに映画とどうしたって切り離せない“恋愛”。どうして映画関係者のみなさんがモチーフにしたがるのか、描くときはどんなことに気をつけているのか、演じるのって正直どうなの? そんな素朴な疑問を直接、監督や出演されている俳優の方々に伺ったのが「映画が描く恋のカタチ」という企画です。
チョイスしたのは岩井俊二監督待望の新作『ラストレター』、ラブドール職人の夫とその妻を描くタナダユキ監督の『ロマンスドール』、同性愛をテーマにした今泉力哉監督の『his』、愛を貫く覚悟を扱った三島有紀子監督の『Red』の4本。それぞれトーンも異なれば、テーマも違う。まさに、作り手それぞれが考える「恋のカタチ」が色濃く反映された作品ばかりです。
「これまではお互いがお互いを見つめているものが多かったけれど、これからはその先の『お互いが一緒に何を見たいのか』にスライドしていくんじゃないか」という三島監督の言葉に、フィクションにとどまらない社会の変化を感じたり。街中でつい誰かに見とれてしまうたびに、神木隆之介さんの「恋する気持ちは、相手を目で追って表現するようにしています。やっぱり、複数の人がいるのに見ちゃうというのが、相手を好きだとか、興味を持っている証だと思う」という言葉を思い出したり。
ページを担当した私は4本すべて観たわけですが、恋をしたくなったかって…? もちろん、恋愛の素晴らしさを実感するシーンはたくさんありましたが、辛いシーンだってあるわけです。好きだからといってすべてがうまくいくわけではない、そんな現実を突きつけられたようで、今は傷心モード。ああ、恋愛も映画も奥深い…。(TN)