マガジンワールド

自分が似合うのはスーツなのか……? From Editors 2 No. 874

From Editors 2

自分が似合うのはスーツなのか……?

お洒落になりたいというより、似合う服が知りたい。
そんな人にこの特集はオススメです。
が、「こうすれば服が似合うようになる」といったルール的なことは一切書いていません。
書けるものなら書きたいのですが「幸せってなんだ?」という問いと同じように、人によって形が違うから答えが書けない!
ということで、今年は4年ぶりに日本全国をまわって服が似合っているシティボーイをたくさん撮ってきました! 申し訳ありませんが、見て感じてくださいということです。
そこには、服に無頓着な人もいれば、毎年新作を買う人もいるし、ズボンの裾を数センチ単位で計算している人もいれば、逆に裾がボロボロという人もいます。
統一性はまったくないけれど、みんな服が似合っていてかっこいい。
ひとつ共通しているのは「この服だからかっこいい」のではなく、「この人だからかっこいい」ということ。
音楽に熱中していたり、好きな野球チームのキャップを毎日被っていたり、スケボーがめちゃくちゃうまかったり。
理由は人によって違いますが「君にその格好をされたらなにも文句を言えないよ」と思う人たちばかりです。
そうやってスナップする日々を過ごしていると、もちろん「果たして自分はスナップされるのか」と考えます。
そのマインドでクローゼットを覗くと、影響を受けているわけでもない映画「時計仕掛けのオレンジ」のTシャツを発見。
それを着て、今回のスナップハント目線で自分を審査すると「大学生の頃になんとなく憧れて買って惰性で着ているただのボーイ」ということで、似合ってない判定。
パッと見、本当に「時計仕掛けのオレンジ」が好きかなんてわかりませんが、自分には嘘をつけません。自信のなさがちょっと漏れてしまったようです。
別に影響を受けていない映画のTシャツを着るのがいけないわけではないですが、そうやって、あらゆる角度から「この服は本当に自分に似合うのか」を問いただすのは、大事なことだと改めて気がつきました。
相変わらず「こうすれば服が似合うようになる」といったルールは見つかりませんが、好きなことに正直な人ほど、服が似合っている人が多いことは確か。
ショッピングもいいけれど、まだまだ外は寒いし、自宅にこもって好きな映画や音楽を見つめ直すことから始めるのもひとつの手段かもしれません。
と言いながら、昨年ハマった漫画が『サラリーマン金太郎』だったことを思い出して、その記憶を消そうとしている自分がいます。僕が似合うのはスーツなのか……?

宮本賢(本誌担当編集)
 
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シティボーイたちを、行きつけのお店や美術館で撮影した『近所のシティボーイ』の一コマ。彼は17歳のスケーターのヒョウくん。ジーンズの裾がボロボロでそれが妙にかっこいいから、真似をしたくなったけれど、スケボーがうまい彼だから許されることだと気がついた。アブナイアブナイ。


ポパイ No. 874

STYLE SAMPLE’20

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